ストラディヴァリウスと平和島
*内容は全て記事作成時のものです
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先日音楽財団のコンサートで、ストラディヴァリウスなどの素晴らしい音を聞かせていただきました。製造から300年近くを経て、数多くの一流演奏者のエネルギーを吸収してきた楽器。その美しい音色が次代にも引き継がれていくことを知り、改めて、東京財団をはじめ様々な財団の活動を支えるボートレースを見に行かなくてはと思いました。
JR大森駅から無料送迎バスに乗って平和島に到着(やまと競艇学校卒業式で出会った相原利章くんは出場しないのがちょっと残念)。総務からいただいた招待券で、4階の指定席へ。ここでは、舟券を買うことを「投票」といいます。席を指定するとき係りの人に「投票所までちょっと遠いけど大丈夫ですか」といわれました。「選挙の投票所」が頭に浮かび、どこか遠くまで行くのかと思いましたがそうではありません。席でオッズや人気を確かめ、締切ぎりぎりで舟券を買うには、たとえ数歩でも「投票所(舟券自動販売機)」に近いのが大事。そんなことを後から実感しました。
ガラス張りの観覧席から見下ろすレースは迫力満点。とくに1周目のトップ争い、そのあとの2,3位争いのデッドヒートは見ごたえがあります。一つ間違えば艇が転覆しそうなスピードで疾走する真剣勝負。選手のテクニックと修練が光ります。

私は最初のレースで三連単に挑戦してあっさり敗北。そのあとは地道に、選手の級別、最近の勝率、オッズなどを参考に二連複を狙いました。最終的には投資額を少し上回るリターンを獲得(売上げに貢献できずごめんなさい)。
途中から1階の一般席に移動。スタンド裏では予想屋が何人も木箱の上に立ち、さながら街頭演説会のような風景でした。艇の侵入経路やプロペラの状態を、独特の語り口で説明しています。説得力ある予想屋の前にはお客さんが集まり、予想情報を買っていきます。ボートレースは単なる賭けではなく、情報戦のところがおもしろいし、情報に基づいて買えばあたりも出やすいようです。
この前タクシーに乗った時、年配の運転手さんとボートレースの話になったことを思い出しました。
「平和島は真中のコースを買っておけばだいたいあたるから、舟券が買いやすいんだ。その点、江戸川は予想が難しいよ。平和島が好きで月に2、3回通ってる。でも最近はだんだん人が減ってきて、ちょっと寂しいね。」

当日もお客さんの大部分は年配の男性でした。
「家にずっといるとおかあちゃんに迷惑かけるからね。ここで時々一日過ごすんだ。平和島は昔からずっと通っている。今は年金だからちょっとずつしか賭けないけどね。」
そう話してくれる元気なおじいさんもいました。
ボートレース場が長年、多くの人々に楽しくリラックスした時間を提供し、親しまれてきたことを感じました。しかしエンターテイメントがほかにも山ほどある時代、これからの運営は難しいかもしれません。そんななか、いろいろな工夫を凝らしてボートレースを盛り上げていらっしゃる施行者の方々や、全力を尽くして爽やかな感動を与えてくれる選手のみなさんに、心から感謝した一日でした。
(東京財団 鈴木真理)