障害者支援プロジェクト


障害の社会モデルを推進


 WHO(世界保健機関)の推計によれば、世界の全人口の10%は障害者でありその数は約6億人、うち80%が開発途上国に居住しています。障害者の多くは教育や就労でハンディを負い、充分な社会参加の機会が保障されていません。結果として、障害者は充分な能力を発揮できず、開発途上国の多くの障害者が貧困者としての生活を強いられています。

 以前は、障害とは障害者「個人」の問題であるとの考えから、より障害者を健常者に近づける「医療モデル」に基づいたプロジェクトが主流でした。しかし近年では、障害は「社会」の側の問題であり、障害者が健常者と均等な機会を得る妨げとなっている原因を除去することが必要であるという、障害の「社会モデル」が認められるようになってきました。また障害の社会モデルを推進することは、他の社会的弱者支援に、ひいては社会全体の利益にもつながります。私たちは、障害の社会モデルを基盤として、開発途上国の障害者支援に重点を置いています。

日本財団国際協力グループによる障害者支援は、下記のアプローチに基づいています。

  1. 自助・自立の精神に基づく取り組みを促すために当事者リーダーを育成する。
    障害者を「何もできない人」「かわいそうな人」とみるのではなく、その国の現状を障害当事者が変えていくことを支援するため、各国で障害当事者のリーダー育成を目指します。特に障害者の高等教育支援と障害自助団体の育成・強化に力を入れています。
  2. 国際的ネットワークづくりを進める。
    国際的ネットワークを通じてお互いの国々が学びあい協力しあうことにより、活動が活性化し、それぞれの国の障害者をとりまく現状が改善されていくことを目指します。特に南々協力に重点を置き、途上国有識者や自助団体とのネットワークを深めるとともに、日本の障害当事者をロールモデルとして積極的に活用します。
  3. 障害者の教育、雇用の幅を広げるために、情報コミュニケーション技術(ICT)を最大限に活用する。
    コンピューター、インターネット等の技術を利用することで、障害者が教育や就労の場面で負うハンデを最小限にすることを目指します。
  4. 社会全体の底上げになる支援。
    事業の恩恵が一部の人に偏るのではなく、社会全体の底上げに繋がるような支援を展開します。

 対象障害分野には身体障害者、知的障害、精神障害、発達障害などがありますが、日本財団国際協力グループでは、身体障害者の支援を積極的に行っています。その中でも視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者への義肢装具支援に重点を置いています。

 地域的には、日本はアジアの一国であることから、アジアにおける障害者支援を重視しています。ただし、事業目的によっては日欧米をも含めた広範な国際的ネットワーク事業も展開しています。