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[ 2008-04-18]

ベトナムで白内障の本格治療 日本財団がNGO・順大と協力

本多 真紀
国際協力グループ
国際ネットワークチーム


白内障治療後の経過診断を受ける患者
白内障治療後の経過診断を受ける患者

 ベトナムで義足の配布、聴覚障害者・視覚障害学生の高等教育の支援など様々な障害者支援を実施している日本財団は、新たに白内障の予防と治療を進め、失明者の大幅削減を目指す事業を始めた。この事業は、国際NGOヘレンケラー・インターナショナル(HKI)と日本の順天堂大学の協力を得ており、ベトナムの7つの省(ナムディン、ビントワン、カントーなど)が対象だ。

ハノイ国立眼科病院で実施された
関係者会議
ハノイ国立眼科病院で実施された
関係者会議

 2008年3月にはハノイ国立眼科病院で関係者会議を開き、順天堂大学、HKI、日本財団3団体の代表者が集まり、ことし7月末に実施予定の研修内容について協議した。会議では順天堂大学の平塚儀宗医師(准教授)が提案した「問題解決パラダイム」を研修の枠組みとして採用することを決定。さらに関係者の役割分担やスケジュール確認等を行い、事業は準備段階から実施の方向に進み始めた。


白内障の手術現場
白内障の手術現場

 計画では、2008年から2010年までの3年間で1,500人の白内障患者を治療し、15人の眼科医と415人の地方医療従事者に対して研修を実施することが目標だ。研修は対象者別のニーズに合わせ、白内障手術の技術向上や公衆衛生の基礎知識の習得まで多方面にわたって行なう予定。研修を通して、医療従事者の能力と技術の向上、白内障による失明者の大幅な削減を目指している。

 02年の国内統計によると、ベトナムの視覚障害者は約52万3千人。その71パーセントが白内障による失明といわれている。ベトナム政府は増え続ける患者数を減らすために、ハノイやホーチミンなど都市部の病院を中心に白内障の治療を実施してきた。しかし、山間部や農村地帯では整った医療システムはほとんどなく、保健師ら医療従事者の技術も十分でないため、患者の多くは治る病気であるにもかかわらず、治療を受けられずに不自由な暮らしを強いられている。


診察を待つ白内障患者たち
診察を待つ白内障患者たち

 また、白内障に対する知識が薄いことから、失明を老化による自然現象として受け入れてしまう患者も少なくない。これらの問題の根本は「医療従事者の能力と知識不足が大きな原因」と専門家は指摘する。このため日本財団は今後省、県、村のそれぞれのレベルで働く医療従事者に対して的確な研修と人材育成を進め、ベトナム全般の公衆衛生システムの改善に協力する方針だ。

 白内障は45歳以上の中年に多く、目の中の水晶体といわれる部分が濁ってくる病気。物がかすんだりぼやけて見えたりするようになり、進行すると失明する。