アフリカ視察報告6

公益・ボランティア支援グループ
「アフリカ」と聞いて、人は何を思い浮かべるでしょうか。灼熱の太陽、茶色い大地。あるいは、貧困、紛争、混乱の大地。よく言われるように、多くの日本人にとって、アフリカ大陸とは、おそらくもっとも遠い場所です。アフリカ=未知なる大地というイメージが、未だ多くの日本人にはあるのではないでしょうか。

私たち日本財団は、「今後の国際協力を考える貧困実状調査」を、2009年3月11日~25日に主催し、国土交通省、厚生労働省、国立感染症研究所、防衛省、警察庁等、中央省庁の方々と一緒に、南アフリカ共和国及びコンゴ民主共和国を訪問しました。必ずしも私たちの認識が十分であるとは言えない両国の実情に触れることで、今後の日本のアフリカ支援のあり方を考えよう、という名目のもと実施されている視察ですが、それ以上に、庶民の生活に触れた素直な驚きや衝撃が、参加者の間には常にあったように感じます。
今回の視察を振り返るにあたり、まず以下の表から、私たちが訪れた南アフリカ共和国・コンゴ民主共和国、そして日本を比較してみたいと思います。
|
|
南アフリカ共和国 | コンゴ民主共和国 | 日本 |
| 平均寿命 | 48.98歳 | 54.15歳 | 82.12歳 |
| 乳児死亡率(1000人中) | 44.42人 | 79.78人 | 2.79人 |
| 生涯出生率(女性1人あたり) | 2.38 | 5.84 | 1.21 |
| 識字率 | 86.4% | 83.8% | 99% |
| HIV/AIDS感染率 | 18.1% | 3.5% | 0.1%以下 |

これらの数字は、アメリカ合衆国のCIAが毎年出している、その国を表す統計データから抜粋したものです。たとえば、南アフリカ人は、日本人と比較して30歳も寿命が短くなっています。あるいは、コンゴ人女性が生涯に産む子どもの数は、日本人女性の約5倍です。ここで挙げたデータは、主に両国のネガティブな面を表した数字です。15日間の視察の中で、これらの数字がリアルなものとして伝わったとき、私たちは、日本の現実と比較して、なんともやるせない気持ちになりました。一方、ここに掲げた数字とはかけ離れた明るい笑顔に出会ったとき、私たちは、これらの国の持つ底知れないパワーに圧倒され、清々しい気持ちになったりしました。この数字が悲しくも正しいことを認識し、と同時に、こんな数字では測れない可能性を秘めた国であることも実感しました。そして、私たちが日本で見たり聞いたりしていた「アフリカ」は、ほんの一面でしかないのだと、改めて認識した15日間でした。

アフリカでの体験のすべてが、私にとっては新鮮な驚きの連続でしたが、その中でもいくつか特に印象に残った「言葉」があり、今回の視察を振り返るとき、アフリカの持つ独特の熱気や色彩とともに、私の耳に響いてきます。今回の報告は、それらの「言葉」をもとに、振り返ってみたいと思います。