トピックス一覧

[ 2009-09-24]

アフリカ視察報告9

森 桂
厚生労働省 健康局 結核感染症課 主査(当時)


page  123456

1.はじめに

世界第二の大陸、アフリカ大陸。東にインド洋、西に太平洋、北に地中海を携え、キリマンジャロやケニアといった5000m級の山々を擁し、その懐には、砂漠、サバンナ、熱帯雨林地帯が様々な様相をもって、一層奥深い陰影を与えている。

弥生。日本を飛び立ったのが、寒に耐えた桜の萌芽も、もうすぐ顔を出そうとしている頃だったろうか。一転して、高温多湿にくるまれたシンガポールの夜を超え、茫洋たるインド洋を超え、飛行時間は述べ約11時間。空港に降り立つと、そこはアフリカ大陸であった。ヨハネスブルグ。南アフリカ共和国北東部に位置し、標高1700mの高台に広がる一大都市だ。秋に向かう時分とはいえ、少々肌を震わせてしまっているのは、私に内在する感覚がこの地に、これからの日々への予感に呼応しているからだろうか。

ここで人は、何に喜び、何に哀しみ、何に怒り、何に驚き、何を是とし、何を非とし、何を許し、何を希望としているのだろう。煌々と灯る高層ビルと、その奥に沈む暗闇の中に、形にもならぬ想いを託し、ヨハネスブルグの夜は明けていく。






page  123456