page
12


ペルーの首都リマから車で1時間のベンタニーヤ地区。もとは砂漠地帯で、開拓者には無償で土地が与えられたことから、開拓の人々が集まりできた街だ。100万人が暮らすこの街の多くは低所得者で、貧困に苦しむこれらの人たちを救おうと、日系2世の加藤マノエル神父がカトリック系のNPO団体「エンマヌエル協会」を創設し、支援活動を展開している。

エンマヌエル協会は、テロで両親を失った身寄りのない子供たちを助けようと、1981年に設立され、今では家庭環境に問題のある子どもも2階建の養護施設に受け入れている。ここには乳離れしていないような幼児から中学生までの子ども40人が暮らしている。親の愛情を知らないと思われる幼児は訪問した私たちにも抱っこをせがんできた。父親が家族を捨てるケース、母親が蒸発するケースなど様々だが、被害者は残された子供たちなのだ。

施設を案内してくれた加藤神父は厨房の大きな機械を前に「入所している幼児には大豆から作られたミルク(豆乳)を飲ませている」と説明してくれた。豆乳は栄養価が高く、粉ミルクではアレルギーを起こす心配があるからだ。子供たちには職業訓練の一環としてパンの焼き方を教えているという。加藤神父は焼きあがったパンは販売もできると穏やかな顔で語った。子どもたちが社会に出た時のために、ここでは大工や自動車整備などの教育も行われている。
週末には地域の学校の子どもたちがこの施設を訪れ、カトリックについて勉強する。50ソル(約1500円)で教室を開き、わずかながらも施設の運営費を捻出しているのだ。ここでの教育は地域でも評判が高く、週末には多くの子どもたちが集まってくるという。
つづきはこちら…
page
12