国籍取得を目指す“比残留日本人2世”が来日第1陣・知念ノルマさんが沖縄で帰国会見

2013年7月19日(金)午後4時30分〜(記者会見)
那覇空港ほか

親族探しや就籍に向けた東京家庭裁判所での調査官面接を目的に、フィリピン残留日本人2世10人が2回(第1陣:1人、第2陣:9人※8/7〜8/12東京を予定)に分かれ来日します。第1陣の知念ノルマさん(71)は父親の出身地が沖縄県津堅島であることが判明しており、沖縄での会見と親族対面、父親の墓参を下記のとおり予定しています。

写真:知念 ノルマさん

来日は、日本財団が(特)フィリピン日系人リーガルサポートセンター(PNLSC)と共同で実施しているフィリピン残留日本人2世の国籍回復事業の一環。2006年に開始した同事業では、戦中戦後の混乱で書類が紛失するなどして、日本人であることを証明できないフィリピン残留日本人2世の日本戸籍取得を支援しています。国籍取得による日系人のアイデンティティー回復を目的としており、東京家庭裁判所での「就籍」手続きではこれまでに、91人が日本国籍を取得しています。

期間 2013年7月19日(金)〜
スケジュール(予定)
  • 19日(木)
    • 15時25分:那覇空港着
      親族(いとこ)と対面(於:那覇空港 国際線ターミナル 到着ロビー)
    • 16時30分 :帰国会見(於:那覇空港 国際線ターミナル1F 待合室)
  • 20日(金):津堅島で親族(叔父、叔母)と対面、父親の墓参
  • 21日(土):親族と交流
  • 22日(日):平和の礎に参拝(於:平和祈念公園)、那覇に移動
  • 23日(月):名古屋に移動

事業について

事業概要

身元未判明のフィリピン残留日本人2世を対象に、国籍回復支援(身元調査、証拠書類収集、就籍申立)及び家庭裁判所での調査官面接のための集団一時帰国を支援する。(就籍とは、潜在的に日本国籍を有していながら戸籍に記載されない人が、家庭裁判所の許可を得て新たに戸籍を作成すること)

事業背景

19世紀末頃から太平洋戦争終結までの間、約3万人の日本人がフィリピンへ移住した。その多くは現地でフィリピン人女性と結婚、子供も生まれ、家族は平穏で豊かな生活を営んでいた。しかし、戦争で父親を亡くしたり、敗戦後日本へ強制送還されたりするなどして家族は崩壊、多くの妻やその子供(フィリピン残留日本人2世)が現地にとり残された。

日本とフィリピンは当時父系主義を採用していたため、本来残留日本人2世は日本国籍を保持している。しかし戦後の反日感情の中を生き抜くため、2世たちは出生証明書などの書類を紛失・破棄。高等教育を中断し、極貧の中で日本人であることを隠しながら戦後を生き延びてきた経緯があり、現在は「無国籍」の状態に置かれている。

本事業では戦中戦後の混乱で身元を証明する書類が限られているフィリピン残留日本人2世の日本人としてのアイデンティティーを回復するため、家庭裁判所への就籍申立による支援を2006年に開始。これまでに91名の国籍を回復させることができた。しかし未だ190名程度は身元が未判明という状況。現行法では申立て人が死亡すると就籍は認められない。2世の高齢化が進む中、残された身元未判明者の救済解決が急務となっている。

お問い合わせ

日本財団 広報グループ

住所
〒107-8404 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル内
担当
福田英夫、富永夏子、山口領、宇田川貴康
電話
03-6229-5131
FAX
03-6229-5130
メールアドレス
pr@ps.nippon-foundation.or.jp