津波で流失した漁師たちの作業小屋“番屋” 岩手で3棟の再建を決定機能追加で地域に開かれた施設に

日本財団は東日本大震災で被災した「番屋」を再生するプロジェクトにおいて、岩手県内にこの度、新たに3棟の再建(支援総額:1億3038万円)を決定しました。

番屋とは漁業関係者が作業・休憩場所として利用する施設。利便性を考慮して沿岸部に設けられるため、岩手県内でも多数の番屋が津波で流失・大破しました。このため漁師らは現在、悪天でも野外や車中で浜見(養殖等の監視や漁にでるまでの待機)せざるを得なくなり、漁具の修理・保管も適正に行えない状況にあります。またこれまで番屋を利用していた漁師にとっては、休憩・情報交換の場が失われたため、漁師間のコミュニケーションにも支障が出始めていると言われます。

被災地支援の一環で水産業を支援する日本財団は、水産業復興のために不可欠で、地域復興の拠点にもなる番屋の再建プロジェクトを開始。2012月8月、第一号となる「鍬ヵ崎番屋」(宮古市)が完成しました。今回再建を決定したのは岩手県釜石市、同県下関伊郡山田町、同県九戸群洋野町の3ヵ所。支援先となる各漁業協同組合が管理・運営を行います。(詳細は別紙(PDF/90KB)をご覧ください)

新たな番屋には地域の催事で利用できる調理室や獲れたての魚介類を販売する直売コーナーなど、地域住民や観光客が利用できる機能が新たに付加されており、番屋が水産業復興と地域コミュニティーの拠点として活用されることが期待されます。日本財団常務理事の海野光行は「番屋は漁師の生活や文化に密着した施設。再建される番屋に漁師だけでなく地域住民も集うことで、漁業や地域の復興拠点としてほしい。」と話しています。

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番屋のイメージ(左:外観 右:内部)

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