マラッカ・シンガポール海峡を通航する船舶が大幅に増加2012年の通航量が明らかに

マラッカ・シンガポール海峡(以下、マ・シ海峡)での航行安全・海洋環境保全のために、灯台や航路標識の整備、海上保安機関職員の人材育成(油流出事故対策、海賊対策等)など、45年に渡り約155億円の支援をしてきた日本財団は、運輸政策研究機構と共同で、2012年のマ・シ海峡通航量調査を実施しました。

写真:マラッカ・シンガポール海峡を通航する船舶の様子

マ・シ海峡は、世界でも比類のない輻輳海域(2006年に日本財団が実施したマ・シ海峡通航量調査によると、2004年の通航量が約9.4万隻)であり、日本財団が協力し沿岸3国(インドネシア、マレーシア、シンガポール)が構築した「マ・シ海峡協力メカニズム」の下、数多くの国と機関がこの海峡の安全・環境保全に取り組んできました。

この度、東アジアの著しい経済発展に伴い、マ・シ海峡の通航量は2004年と比べ、大幅に増加していることが予想されたため、2012年度の通航量調査を実施しました。

その結果、別紙(PDF/393KB)のとおり、通航量は、隻数ベースで約12.7万隻(2004年の35%増)、載貨重量トンベースで69.4億トン(2004年の74%増)と、大幅に増加していることが分かりました。

また、マ・シ海峡の通航量における日本の相対的割合は低下している一方、中国など東アジア諸国や欧州諸国など他の利用国の割合が増加し、利用状況の変化が進んでいることも分かりました。

この調査結果を受けて、日本財団の海野常務理事は、「上位20カ国にこれまで入っていなかった国が新たに入ってくるなど、かつてに比べマ・シ海峡利用国の構成が多様化している。今後、より多くの国が、海峡の安全・環境保全に貢献してほしい」と述べています。また、運輸政策研究機構の鷲頭副会長は、「マ・シ海峡の通航量における日本の相対的割合の低下は、中国やASEAN諸国における著しい経済発展に伴う荷動きの増加に起因するのではないか」と述べています。

調査の詳細は運輸政策研究機構公式サイトをご参照ください。

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