[ 2008-07-30]

初代大使が支援を訴え 対ロ関係緊迫のグルジア


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グルジアの窮状を訴える 初代駐日大使 イワネ・マチャワリアニ氏
グルジアの窮状を訴える 初代駐日大使 イワネ・マチャワリアニ氏

 2008年2月、グルジアの初代駐日大使として赴任したイワネ・マチャワリアニ氏が7月18日、東京・赤坂の日本財団ビルで講演、北大西洋条約機構(NATO)への加盟をめぐりロシアと緊迫するグルジア情勢について報告し「わが国が領土、主権を守るためにも一層の支援を」と訴えた。

 演題は「グルジアをめぐる米国・ロシアのパワーバランス」。南カフカス(英語名コーカサス)に位置しソ連の独裁者ヨシフ・スターリンの生地でもあるこの国は、2003年の「バラ革命」で登場したミヘイル・サーカシュヴィリ大統領がNATO、EU(欧州連合)加盟を目指すが、一方で南オセチア自治州、アブハジア自治共和国が分離独立を主張し、これを支援するロシアとの緊張が高まっている。

グルジア大使の訴えに熱心に聞き入る聴衆
グルジア大使の訴えに熱心に聞き入る聴衆

 昨年10月、グルジア戦略国際研究所が首都トビリシで開催した南コーカサス安全保障会議を笹川平和財団が支援したことから今回の講演となった。

 この中で同大使は、対ロ関係悪化を懸念する独仏両国の反対で難航しているとされるNATO加盟について「今春のブカレスト会議で明らかにされた今後の加盟候補国のひとつにグルジアも指名され、時期はともかく加盟は保証された」との見解を示した上、「加盟はわが国にとって絶対必要である」と強調した。

 また2014年の冬季五輪開催地に決まったロシア・ソチがアブハジアに隣接することから、6万人を超すロシア人が建設労働者の名目でアブハジアに移住しているほか、ロシアの大規模な部隊も駐留している、と指摘。

 「ロシアもヨーロッパの一員になりたいと望んでいるはずだ。グルジアのNATO加盟はロシアの脅威とはならない」と牽制するとともに「中央アジア・コーカサス地域とヨーロッパを結ぶこの地域に米国や欧州はもっと関心を持つべきだ」と注文を付けた。

 日本に対しても一層の支援を求めるとともに「わが国はクレオパトラも愛飲したワイン発祥の地。さらに多くの観光客と民間投資を」と訴えた。

 グルジアはソ連崩壊後、隣接するアゼルバイジャン、アルメニアとともに独立、南コーカサス3国として連合を目指したが、ロシアとの関係や領土紛争で対立している。カスピ海産の石油・天然ガスをヨーロッパに輸出するパイプラインルートに当たっており、エネルギー、安全保障面でも重要性を増している。イワネ大使は大統領より1歳年下の39歳。