早いもので、博士とアフリカの農業開発に取り組み始めて四半世紀が経ちました。「食糧難に苦しむアフリカの人々の空腹を少しでも満たせてあげたい。」父と私は、当時70歳のあなたに無理を承知で協力を要請したところ、快く引き受けてくださいました。以来、あなたはアフリカの農民やその子どもたちのためであれば、いかに多忙であろうと最優先で取り組んでこられました。
Bill、Jean、あなたの父親はあなたたち家族を心より愛していました。そしてあなたの父親はアフリカの農民たちを想い、幸せを願っていました。マラウィで肺炎寸前まで体調を崩したときも、そしてガンに侵されていたときも、自分の心配よりアフリカの農民たちの幸せを考え、行動していました。そして驚くことには、その時のようにどんな苦境に立たされようと、決して苦しいとか辛いとか弱音を吐くことはありませんでした。むしろ困難を正面から受け入れ、それを乗り越えるモチベーションを生きる糧にしているようにさえ見えました。
博士は可能な限り現地を訪れ、農民と一緒に汗をかきながら優しく丁寧に手ほどきする一方、カントリーディレクターには厳しい姿勢で指導に当たられていました。そして年に一度の収穫祭で、農民たちが歓喜のダンスをしているときに見せる幸せに満ちた博士の笑顔を、私は忘れることができません。
「アフリカの子供たちが空腹を抱えたまま眠りにつかないように・・・。」博士がよく口にしていたその想いを胸に走り続けたその成果は、単に農民やその子どもたちの空腹を満たすだけのものではありませんでした。
Norman、あなたはアフリカの農民の心に、「夢」という、土壌を耕しました。
Norman、あなたはアフリカの農民の心に、「希望」という、種を植えました。
Norman、あなたはアフリカの農民の心に、「情熱」という、水と太陽を注ぎました。
そしてNorman、あなたはアフリカの農民の心に、「自信」という作物を実らせたのです。
あなたは決してあきらめなかった・・・。
私も、あなたがアフリカの人々のために活動を始めた時と同じ70歳になりました。
「アフリカに緑の革命を・・・。」私は、あなたの夢そして我々の夢をボーローグスピリットを継ぐ同志(指導者、学者・研究者、農民)とともに、最後まで追い続けます。
絶対にあきらめません。
ボーローグ博士、どうか安らかにお休み下さい。