事業評価について

[ 2008-07-22]
1. 評価の目的

 日本財団の事業評価は、実施した助成事業について「助成金が適正に使用されたか、期待される成果を挙げているか」を効果測定することです。
 そして、評価結果を助成事業の計画内容の修正や変更、実行プロセスの改善など質の向上や事業継続の判断、予算への反映などマネジメントの判断のために反映・活用することとしています。更に、評価結果を財団内に蓄積し共有化を図り、新規及び類似事業の企画・立案に活用することにより、日本財団の組織能力の向上に寄与するものと考えています。
 また、評価結果を公表することにより社会的説明責任を果し、ひいては助成金交付事業の一層の透明化を図ろうとするものです。

2. 事業評価導入の経緯

 監査グループでは以前から、日本財団の実施した助成事業が目的に合致し、適正かつ効率的に実施されているかどうかを確認する監査を重点に行ってきました。

  • 1994年 「組織・業務改善計画」の一項目「監査体制の充実と事業実施団体への指導の徹底」の中に「大規模な補助事業、先駆的な新規事業、又は重要な海外協力事業等を中心に、業務部門と協力して、事務的、会計的側面に止まらず事業の評価にまで踏み込んだ監査を行う。」が方針として示されました。これにより、従来の視点に加え、事業の成果を重視する監査を目指すこととなりました。
  • 1995年 事業評価を開始しました。当財団の透明性と評価の客観性を確保するため、外部機関 株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントへ委託し、2007年度までに計71件の事業評価を実施しています。また事業評価がPDCAマネジメントサイクルの一部として、評価結果が当財団の助成制度へ反映されることを目指しています。2003年12月には、同社によって事業評価の手法と12の実例とをまとめた書籍「事例で学ぶ非営利組織の事業評価」が出版されました。
  • 2000年 助成事業者の利便性の向上と財団業務の効率化のため、業務支援システムを財団内に構築し、事業部門による審査時、事業完了時の評価に重点を置いた業務フローを導入しました。このフローでは、審査時には申請事業の内容や予想される効果を明確に整理し、事業実施の必要性、優先度等を総合的に検討・評価の上、採択を決定しています。期中には事業の進捗状況や実施プロセスの把握(進捗状況確認)に努め、必要に応じて改善を提案しています。事業完了時には完了報告書の提出を受け、当初設定した目標を達成できたかどうかについて確認しています。
  • 2004年 当財団の組織体制の見直しと再編成により、監査グループに事業評価主幹を新設しました。外部機関によるノウハウを応用するとともに、ピーター・F・ドラッカー「非営利組織の『自己評価手法』」などを参考に、当財団独自の手法により監査グループによる事業評価に着手し、2006年度までに計6件の評価を実施しました。評価手法については随時見直し、より精度を高めることを目指しています。
  • 2006年 2005年12月に政府で閣議決定された「行政改革の重要方針」に基づき、助成事業等評価実施規則を制定しました。

 以上のように当財団では、政府の「行政改革の重要方針」に先行して、事業評価に対する取り組みを行っています。
「助成事業が目的に合致し、適正に実施され、助成金がムダに使われていないかを確認する監査」に加え、「助成事業が効率的に運営され、期待される成果が挙がっているかどうかの有効性・波及性の効果測定を行う事業評価」が組み込まれたことにより、助成金の活用の実態と社会への寄与とをより明らかにしています。

3. 評価の対象事業と選定方法

原則として前年度に実施した助成事業の全てを対象としていますが、予算上及び時間的な制約から、当財団が定めた選定基準(重点テーマとした事業、社会的関心の高い事業、先駆的で他の事業のモデルとなる事業など)により選定し、評議員会の審議を経て理事会において決定しています。

4. 評価の方法

(1)監査グループによる評価(内部評価)
 事業部門とは一線を画した独立した組織である監査グループに評価チームを編成し、日本財団独自の手法により評価を実施しています。

(2)日本財団が委託した評価を専門とする民間法人(以下「外部評価法人」という。)による評価(外部評価)
 評価の質を高めるため評価を専門とする民間法人に委託し、多面的調査や専門的な分析を取り入れ、客観的な評価を実施しています。委託に際しては一切の条件をつけず独立性を担保し、正確な事実情報を得ることとしています。
 外部評価法人の選定は選定基準により評議員会の審議を経て、理事会において決定しています。

5. 評価の実施時期

 助成事業の完了後1年以内に総合評価を実施しています。
 但し、事前評価(助成事業申請時点の審査)、期中評価(事業実施中における進捗状況確認)、完了時評価(事業完了報告時点の事業目標の達成確認)については、事業担当部署において実施しています。

6. 評価の内容

 評価の内容は評価実施要領に基づき以下の項目としています。

(1)事業評価

  1. 会計評価
  2. 事業プロセス評価
     ・推進姿勢・推進体制・推進プロセス
  3. 事業成果評価
     ・直接的成果(量的、質的)・社会的成果(波及性、社会ニーズ対応性)
  4. 資金効率評価
  5. 総合評価

(2)団体評価

  1. 会計評価
  2. 事業活動評価
     ・事業構造・事業内容
  3. 組織構造評価
     ・組織体制・運営マネジメント
  4. 資金効率評価
  5. 総合評価





<参考>外部評価のフレームワーク



7. 評価のフロー図

8. 2008年度の事業評価の報告について(総括)

 2008年度の事業評価については、2007年度助成事業から18件について以下のとおり実施しました。
 2008年2月及び5月開催の評議員会、理事会において対象事業及び外部評価法人の選定を諮り、2008年度の事業評価報告の対象事業18件並びに外部評価法人として株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントを選定しました。(以下、「外部評価法人の選定理由」のとおり)
 2008年12月及び2009年5月開催の評議員会、理事会に評価結果を報告しました。
(1)内部評価8件
(2)外部評価10件



外部評価法人の選定理由

  1. 1995年以来、当財団助成事業の評価実績を有し、評価の質も期待に応えうるものであること。
  2. 「非営利組織の事業評価」を出版するなど公益法人の評価に対するノウハウを有していること。
  3. 評価結果の統一性、一貫性、継続性を保つことができること。
  4. 評価にあたり、社会調査及び統計処理を行うことができること。
  5. 当財団独自の評価手法の確立に通じる評価の枠組みにより実施していること。