事業仕分けについて

[ 2010-12-03]

事業仕分けについて


  2010年11月18日、当財団は行政刷新会議の実施する「事業仕分け」を受け、監督官庁である国土交通省の市村政務官、井手海事局長と私が質問に回答いたしました。
  国民の皆様も注目している事業仕分けの対象になったことは、当財団を紹介できる機会でもありますので前向きな姿勢で臨み、質問に対しては当財団の活動における考え方や姿勢と事実を包み隠さず明確に伝えるべく回答したつもりですが、説明しきれていない部分や明確に伝えきれていない部分が一部ございました。
  したがいまして、ご質問いただいた内容について、あらためて当財団の考え方や事実についてご説明させていただきます。
  また、私たちは変革し続けない組織は衰退するという考えのもと、これまでも様々な改革、改善を行ってまいりましたが、今後もより良い事業活動が行えるよう、改革、改善を行っていく所存です。
  今回、評価をしていただきました評価者の皆様と関心を持っていただいた国民の皆様には感謝いたしますとともに、財団の活動や運営に関しご意見をいただければ幸いでございます。

日本財団
理事長 尾形武寿


質問1:日本財団の役員に占める所管官庁からのOB(天下り)の比率は、いつ頃までに、どのように下げる計画ですか。

A.当財団においては、職務内容等に照らし適材適所に人材を配置することで組織能力を向上させるとともに、財団で骨を埋める覚悟を持ち、社会のため、組織発展のために尽くす者が役員に就任している。2010年4月1日現在の官庁出身者の役員は、常勤役員9名中2名、非常勤役員6名中3名であるが、常勤役員の官庁出身者のうちの1名は任期満了に伴い8月末に退任しているので、現在は1名のみとなっている。
  さらに現在公益認定を受ける準備を進めているが、公益財団法人へ移行した際には常勤、非常勤ともに官庁出身者をなくすこととしている。(公益財団法人への移行は2011年4月を目標に準備中)

質問2:助成先選定の審査の仕組みにおいて、日本財団本体や所管官庁の影響力に左右されずに審査するということは、どういうふうに担保されるか。

A.審査は基本的に事務局で行っている。 事務局では申請された助成事業について、審査方針に基づき職員が書類の審査だけでなく、申請者へ電話でのヒアリング、または近隣であれば来会を求め、あるいは訪問し、ヒアリングを行うとともに、現地へ出向いて調査を行う等、申請書に書き表せなかったことまで把握に努め、可能な限り時間をかけて審査を行っている。
また、当財団にはマスコミや学識経験者など、外部有識者から構成される評議員会を設置しており、助成事業の審査に関しては次のように評議員会が関与している。

  • 例年8月に「支援の柱(重点テーマ)」を評議員会において審議し、理事会で決定する。
  • 12月には、評議員会において「審査方針」について承認を受け、理事会において決定する。
  • 事務局の審査案を担当常務理事、理事長、会長説明の上、助成事業計画原案とし、2月の評議員 会で審議、理事会で決定する。この際、評議員、理事には事前に審査内容を送付し、評議員会当日に意見や質問を受け審議を行っている。

  以上のとおり、審査に関しては事務局が十分な時間をかけ行うとともに、外部有識者の目が入ることによって、公正さを担保している。
  なお、かつては、各部署(海洋関係公益・福祉関係海外協力関係)に有識者で構成する事業企画委員会を置いていたが、実効のある委員会とするためには、もっと細分化し個別分野ごとの委員会が必要である。しかしながら日本財団の助成する分野は広いため、すべての分野を網羅するためには、20~30の委員会を置かなければならず、委員会を常設することは現実的には不可能である。
  一方で、担当部署では、必要に応じ個別のテーマごとに委員会等を開催し、外部有識者の意見を聴いている。

質問3:助成事業の事後の評価は誰がやっているのか。日本財団には独占的な権限を付与されているわけだから、外部の独立性ある機関によるチェックを経ている必要があると思うが、どう考えているのか。

A.事後評価については、2通りの方法を取っている。1つは1995年から開始した民間の評価会社による評価で、現在では年間10件(52事業/2008年度)ほど評価していただいている。2つ目は日本財団の監査グループ職員が年間8件(12事業/2008年度)ほど評価している。この評価は、上記の15年余にわたって実施してきた外部の評価システムを自分たちで研究し、評価の基準を定めて、詳細な評価を行っている。
評価対象事業は、選定基準に基づき選定し、評議員会で審議後、理事会で決定する。
  また、評価結果についても評議員会、理事会に報告するとともに、当財団のホームページで公開している。
  したがって、事後評価については、外部の独立性ある機関によるチェックを15年余にわたり実施してきている。

質問4:4282事業の中で外部による評価件数が10件というのは適切な数か。

A. 4282事業(2009年度実績)のうち、福祉車両事業が約2500事業、改修事業が約600事業あり、これらの事業は、事業形態が同じで採否の基準が明確な事業であるため1事業ずつ評価を行う必要はないと考えている。これらを除く事業は約1200件である。
  また、評価対象事業は、「支援の柱(重点テーマ)」を1件として評価している場合もあり、この場合は「支援の柱(重点テーマ)」に該当する事業が相当数に上る。2008年度の評価事業件数は64事業である。
  さらに、採択した事業は継続事業もあり、毎年評価を行わなければならない事業ばかりではない。
  これまで15年余継続して事業評価を実施してきたことで、助成事業全体の事業領域からすると大半の領域について評価を実施してきている。 
  また、評価会社に委託すると1件あたり約250万円かかる。したがって、予算的にも10件程度が精いっぱいと考えている。
  以上のことから、評価件数が何件であれば適切かは明確にできないが、これまで15年余継続して実施してきた実績をもとに、事業評価が効果や効率性を勘案して可能な範囲で対象事業を決定している。

【参考:平成20年度(2008年度)実績】
事業評価件数:全18件64事業(外部評価10件52事業、内部評価8件12事業)

質問5:成果目標が出せない理由はなぜか。

A.福祉車両や改修事業のように、整備件数が増加すればおのずと利用者の数も増加する事業については、定量的に評価できるが、事業によっては成果がすぐに出るものばかりではなく、5年後や10年後に成果が表れる事業もあり、個々の事業の質的成果設定は困難である。
  したがって、明確な数値目標は設定していないが、助成件数を成果目標の一つのバロメーターと考えれば、大小あわせて約4282件(2009年度実績)実施している。

質問6:補助率50%を原則とするJKAの改革は素晴らしいと思う。補助率について、日本財団も見直してほしいが、どうか。

A.日本財団の補助率は、原則80%以内としている。
   大小様々な団体を支援しており、ボランティア団体など団体によっては、補助率が2分の1では事業ができなくなる団体もある。したがって、現在も実施する団体の特性や、事業内容によって補助率を変える場合もある。よって基本的には、補助率は80%である。