広報人語

[ 2010-03-08]

バンクーバー五輪 国母選手と個性

菅原 悟志
広報グループ
グループ長


5個のメダルを獲得し、多くの感動を残したバンクーバー冬季五輪。今回のオリンピックの話題として、ある意味盛り上げたのはスノーボードハーフパイプ代表の国母和宏選手の服装と発言だったのではないか。国母選手は公式ウェアのズボンをずり下げる「腰パン」スタイルや謝罪会見で「反省してマース」と語尾をのばしたり、舌打ちをしたことで一挙に注目を浴びた。

この態度に自民党のある議員は「スポーツは個性があるので、ああいう格好もやむを得ない」との発言もあった。日本財団でもスポーツ分野の活動に対しても支援をしているので、この発言は興味深い。「個性」とはいったい何であろうか。みんなと違うことをすることが個性と思っている人も少なくない。日本国民を代表してオリンピックに参加しているのだから、一定の節度ある態度は当然のこと。代表選手に公式ウェアの着用義務があるのならばきちんと着ることはいうまでもない。ましてやバンクーバーまでの旅費、滞在費、そしてウェア代はもちろん彼が払っているわけではない。

会見もそうだ。謝罪するならばきちんとした態度で臨むべきである。不満ならば会見拒否も可能であり、そもそも代表辞退という選択もある。周囲に迷惑をかけることや不快感を与えることは、もはや個性とはいえない。最近の個性尊重主義はいささかあきれる。人間としての大切な基礎よりも個性を伸ばすことに重点を置く教育方針もどうかと思う。スポーツや芸術、そして勉強でも十分な基礎が備わって初めて個性というものが生まれてくるのだ。

基礎ができていない人に応用などできず、基礎がわかってない人に新たな発見などできるわけがない。実は基礎ができている人間ほど独創的で個性的な人間なのである。自民党内で個性的な議員が何人いるかは知らないが。

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