九十九里浜が消える

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海岸浸食による砂浜の減少などで平成になって閉鎖された海水浴場は、全国で22カ所に上ると東京新聞に掲載されていた。14カ所が千葉県でそのうち13カ所がすべて九十九里浜。九十九里浜は、日本で2番目に長い砂浜の海岸で、2005年までの40年間で浸食は約30キロに及び、波打ち際は最大で約100mも陸地へ後退したそうだ。
浸食を防ぐための様々な対策工事が行われているが、目立った効果はでていない。浸食の大きな要因は、ダムなどで河川が海岸に堆積させる土砂量の減少ともいわれている。日本財団では2001年にこの問題を取り上げ、浸食が進む九十九里浜海岸の調査を実施、「日本の海岸はいま・・九十九里浜が消える」と題した報告を取りまとめたことがある。
砂浜の減少はレジャーや観光だけでなく、防災や海浜の生態系にも影響する。そして大きな被害を受けているのが、浦島太郎の童話で有名なアカウミガメ。県によっては天然記念物に指定されているこのカメは砂中に卵を産む。卵は海水に触れると孵化(ふか)しないため満潮時でも海水が届かない砂浜の奥まった場所で産卵する。
産卵場所を目指して上陸したものの海岸浸食により、深い穴が掘れないなど浜の環境が気に入らず、産卵をあきらめ海に戻ってしまうカメも多くいるようだ。海岸浸食は、何も人間だけではなくカメの心まで大きく波打っているのである。
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