広報人語

[ 2010-06-10]

世界屈指の親日国 トルコ

菅原 悟志
広報グループ
グループ長


和歌山県に串本という町がある。紀伊山地を背に潮岬半島が太平洋に突き出た本州最南端の町である。東西に長く延びるリアス式海岸をはじめ雄大な自然に恵まれ、海を見ながらゆっくりとするならちょうどいいところである。

実は、この町トルコ共和国とはとてもゆかりのあることは知られていない。さかのぼること1890年、明治天皇表敬のために派遣されたトルコ軍艦「エルトゥールル号」が帰国途中に台風に遭い、串本沖で遭難し、乗組員587人が死亡するという大惨事が起きた。その際言葉も全く通じない地元住民が総出で救助にあたり生き残った69人は手厚い救護、看護を受け、日本の巡洋艦でトルコに無事帰国した。

それ以来日本とトルコとの友好関係が始まったのである。1985年3月にイラン・イラク戦争の際、テヘランで孤立していた邦人を救出するために、トルコ政府が特別機を差し出したことは、エルトゥールル号事故に対する恩返しとの見方がある。今年は、同号の事故から120周年にあたりトルコ、日本両国で多数記念行事が行われている。6月3日、串本町では「エルトゥールル殉難将士追悼式典」が行われた。

それに合わせてトルコ建国の父アタチュルク初代大統領像の除幕式が行われた。新潟県柏崎市において横倒しで保管されていたが、日本財団が樫野埼灯台前(串本町大島)まで移設したという経緯がある。樫野埼灯台は遭難事故の際、乗組員が最初に救助を求めた場所と知られ、周辺にはトルコ軍艦遭難慰霊碑やトルコ記念館などがある。一時期行き場の失った像だが、最も相応しい場所で安住することになった。

世界屈指の親日国であるトルコと串本町は遠くて深い関係があるのだ。

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