広報人語

[ 2010-07-23]

金賢姫元工作員 来日

菅原 悟志
広報グループ
グループ長


大韓航空機爆破事件(1987年)の実行犯で、北朝鮮の元工作員・金賢姫(キムヒョンヒ)元死刑囚が初来日した。20日未明に日本政府のチャーター機で羽田に到着した金元工作員。厳戒体制のなか長野県の別荘地である「軽井沢」へ向かった。滞在先はなぜか鳩山由紀夫前首相の別荘。ここで拉致被害者の田口八重子さんの家族と再会し、横田めぐみさんの両親と初体面を果たした。

22日、ヘリコプターで東京周辺を遊覧飛行し、本日日本政府のチャーター機で帰国。国賓並みの「VIP待遇」といわれているが、金元工作員からは拉致に関する新たな情報が語られることはなかった。そのなかで、横田めぐみさんとは84年に一度会ったことを証言した。めぐみさん(拉致当時13歳)は77年に下校途中に友人と別れた後、北朝鮮工作員に拉致され北朝鮮に連れ去られた。参考までにこの現場を現職の首相として視察したのは麻生首相ただ一人。

めぐみさんを拉致した後、日本から北朝鮮まで運んだのが工作船と言われるが、日本財団は2003年に鹿児島県・奄美大島沖の東シナ海で海上保安庁の巡視船と銃撃戦の末に沈没、引き揚げられた北朝鮮の工作船を鹿児島から運び、お台場の船の科学館に展示・公開した。小型船やゴムボート、手りゅう弾や自動小銃などの小型火器のほか、対戦車ロケット砲、携行型地対空ミサイル、対空機関銃などの重火器が見つかり、これも展示された。8カ月間で約163万人が見学に訪れた。公開されてすぐに拉致被害者の家族らが工作船を見学したが、めぐみさんのご両親は「見るのはとても耐えられない」と参加を見送られたことを今でも覚えている。

来日中の金元工作員に対する待遇をめぐり、批判も相次いでいることは事実だが、話題になったことで、低下が懸念される国民の拉致への関心が高まり、この問題が早期に解決されることをただ願うばかりである。

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