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[ 2010-01-07]

2010笹川会長 年頭所感


仕事始めの1月4日、日本財団では笹川陽平会長が役職員約100人を前に「プロフェッショナルとして隠れた勉強を積み重ね、財団の舞台で能力を発揮してほしい」と年頭所感を述べ、職員に自らの価値を高めるため一層努力するよう求めた。

年頭所感内容は以下のとおり




私は年始を富士山の麓で過ごしました。日々見ている富士山と何ら変わらないはずなのですが、元日に見る富士山は荘厳で身が引き締まる思いがいたしました。

日本には年末に一年間を決算し、新たに出発するという文化があり、私たちは元日に一年の新たな目標といいますか、誓いを立てます。しかし、大概の人は三日で止めてしまっているのではないでしょうか。これが通常の人の行動かもしれません。

職員との対話の場である語り場では、若い職員が知恵を絞り、共に議論を重ねながらアイデアを煮詰め、新たな活動を生んでいます。私たちにとって世の中の変化に対応していくための兆しを感じ取り、いち早く行動に移すことは最も大切なことです。そのためには百の議論も重要かもしれませんが、一歩でも前に出られるような行動のチャンスを若い職員に与えられるような柔軟な組織でなければならず、私はそうあってほしいと願っています。

ただ一点だけ苦言を申せば、皆さんの話を聞いていて圧倒的に勉強不足を感じざるを得ません。本をあまり読んでいないような気がするからです。職務上必要な勉強は当然のことですが、日常生活で役に立たないような本を、少なくても年間30冊くらいは読んでいただきたいと思います。しかし、本を読んで知ったかぶりをする必要はありません。 私たちの仕事は物を作ったり売ったりするような仕事ではありません。皆さんの仕事は助成金申請者との対話を通じて成り立っています。そこには幅広い教養に裏付けられた人柄が自然に滲みでてくる素養が必要になってくると思います。

常に若い職員に伝えているように、私たちは日本財団で禄を食んで仕事をしています。芸術家やスポーツ選手は目に見えないところで厳しい修業を積み重ね、その成果を世に問うています。しかし、私たちも何ら変わらないのです。隠れたところで努力することなくして、月曜日から金曜日まで、朝、事務所に来て、昨日の続きの仕事を処理するだけでは真の仕事といえないのではないでしょう。自らの価値を高める努力というのは、勤務時間以外で実行するものです。その努力の裏付けがあるかないかが、これから重要な時代になってきます。これからは機能主義的な高度経済成長の時代から人間味あふれる生活、あるいは生き方に変わらなければならないような気がいたします。

繰り返しになりますが、皆さんには最低でもこの一年間で30冊くらいの本を読んでいただきたいと思います。昔の人の勉強と今の人の勉強とでは大いに異なるとは私も理解しています。しかし、私たちは時間の配分の仕方、使い方が十分活かせていないような気がいたします。時間を工夫しながら、普段は役に立たないと思われるような本を数多く読むことで人間の幅を広げて下さい。

物事を深く考えるという訓練は読書を通じて得られることがあるということを私は体験してきました。プロフェッショナルとして隠れた勉強を積み重ねて、日本財団という舞台で十分に演技し、能力を発揮いただきたいと思います。

365日、家庭、アフターファイブはそれぞれあるのでしょうが、人生は勉強に尽きるわけですから、頭の片隅には常に仕事のことを考え、今よりも良くなること、あるいはより効果的な仕事ということを考えに考え、発酵できるようになれば、更に日本財団は素晴らしい組織になるものと確信します。

人間は自分自身に甘く人に厳しいという性格を持っています。敢えて自分自身に負荷をかけ仕事と向き合いながらも、明るく愉快に仕事ができる職場に私はしたいと考えております。

年頭にあたり、それぞれが目標を立てていると思いますが、それはそれで実行していただき、日本国、あるいは世界になくてはならない組織が日本財団であるという誇りを胸に秘め、更なる発展のためにお互い努力しようではありませんか。