
神奈川県三浦市の油壺海岸で2008年6月7日、東京大学三崎臨海実験所による「自然観察会」が開かれた。
参加したのは東京都立戸山高校と埼玉県立蕨高校の生物部員、それに一般参加を申し込んだ家族連れら30人。干潟で様々な生き物を採取、専門家からその説明を受けるなどして、生命の進化と地球環境を考える一日を過ごした。実験所では8月まで、あと3回の観察会を実施する。

観察会は、実験所記念館の実習室でのガイダンスから始まり、赤坂甲治所長が「生物の進化と自然環境」について概説した。このあと全員が潮の引いた岩場に出て動物採取に取り組んだ。
観察会は干潮時に合わせて開催されており、岩場に取り残された小魚やカニ、貝、ヒトデなどが次々と見つかり、あちこちで歓声が上がった。

「磯遊びが好きなので、勉強したくて申し込みました」という、茨城県から参加した小学生もいて、講師役を引き受けた国立科学博物館の藤田敏彦研究主幹らは、岩場を忙しく移動しながら様々な質問に答えていた。
磯での活動は、この日の最大干潮時刻の13時16分で終了し、午後は採集した動物の説明会が開かれた。参加者は細部まで観察し、スケッチなどに取り組んでいた。

東京大学の三崎臨海実験所は1886年(明治19年)、動物学・海洋生命科学の専門研究機関として開設された世界で最も古い臨海実験所の一つ。
三浦市三崎町の69,000平方メートルの敷地に、実験研究棟や宿泊施設などが点在し、専用桟橋には採集調査船「臨海丸」が接岸している。

油壺海岸は変化に富んだ海岸線が続く海洋生物の宝庫で、棲息する動物は500種に上り、世界で最も多様な生物観察ができる海岸として知られている。このため同実験所には、世界各国から年間2万人を超える研究者が訪れている。
研究の拠点であるとともに、実験所は動物学啓蒙にも力を入れており、日本財団の支援を受けて自然観察会を継続、これまでの観察会で採取された「磯の動物」のガイドブックも作成した。
赤坂所長は「生命の進化と環境の大切さを考える上で、ここは格好の場所。実際に観察すると、様々なことがわかってくるはずです」と観察会の意義を語っている。
年内の観察会は7月19日(土)、7月31日(木)、8月22日(金)に予定されている。
それぞれ申し込みが必要で、
問い合わせは東京大学臨海実験所の自然観察会申し込み係(電話046-827-6725)まで。