食卓に迫る危機~魚が無い食卓は耐えられますか?

海洋グループ
海洋安全チーム

「ワシントン条約締結国会議にてクロマグロ漁獲量の削減が決定!」という衝撃的なニュースを受け、「マグロやトロの値段が高くなるのでは?」という不安にスポットライトが当てられています。確かに私も一人の消費者として大好物のトロの値段は気になります。しかしクロマグロを単なる食料ではなく、「海」という地球における生態系の一部と捉えた時、私たちが心配すべきは「値段」だけでよいのでしょうか?
2009年12月11日に東京大学と共同で開催したシンポジウムでは、水産資源を海からの恵と位置づけ「魚の価格はどうなるか」「漁業の規制を強化するべき」といったような単一的な視点を超え、マグロとウナギを中心に日本が抱えている水産資源管理の問題について話し合われました。(講演者のリストと題名については一覧表をご覧下さい)。また、パネルディスカッションでは、昨今話題になっているワシントン条約締結国会議マグロ規制の提案が、なぜ消費国でも生産国でもないモナコから出されたのか?そもそもなぜクロマグロが規制対象なのか?漁業技術の発展がもたらしたものは?といった普段なかなか語られない点について意見交換がなされました。
さて、クロマグロの漁獲量規制は必要だとして、それは生物の保存という意味で必要なのでしょうか?それとも政治的・政策的に必要という意味でしょうか?また、近い将来、クロマグロだけではなく他の魚介類にも漁獲量の規制が敷かれるのでしょうか?話しは少し逸れますが、「1ヵ月間、毎食マクドナルドだけ食べて生活するとどうなるか」というアメリカの映画がありましたが、「1ヵ月間、魚介類を口にしない生活」を想像できますか?寿司や焼き魚といったような眼に見える食材だけでなく、鰹節などのダシまで含めると、私たちの食卓は魚介類で溢れています。そう考えると「1ヵ月間、魚介類を口にしない生活」を気持ち良く送ることは非常に難しいでしょう。「数年後には海から魚がいなくなる!」というのは極論だとしても、クロマグロの漁獲量規制強化というニュースから私たちが考えるべき事は決して「値段」だけではないでしょう…
次回のシンポジウム(第3回食卓に迫る危機)は2010年3月12日(金)に日本財団ビルで開催予定です。当日のプログラムなどは追って当財団HPにて掲載します。事前告知を希望の方はその旨を下記メールアドレス宛てにご一報いただければ幸いです。
日本財団コールセンター 担当:和田真 cc@ps.nippon-foundation.or.jp