ホスピス緩和ケアとは、「人生をよりよく生きる」ためのプログラムです。それはエイズやがん末期患者だけのものではなく、「死ぬための施設」を意味するものでもありません。
それは、いつでも、どこでも、誰にでも、ケアを必要とするすべての人に提供されるべきものであり、クオリティ・オブ・ライフ(人生の質)を向上させるためのものです。

1996年、日本財団は国内のホスピスにおける指導的立場の有識者にご参集いただき、「日本財団ホスピス研究会」(委員長 日野原重明氏)を発足しました。
研究会では、日本におけるホスピス緩和ケアの問題点や目指すべき方向性について多くの意見が交わされました。
その討議の結果、取り組むべき課題として、1.施設整備、2.人材育成、3.一般への周知啓発 という3つの提言がありました。
この提言を3本柱として、日本財団と笹川医学医療研究財団、ライフ・プランニング・センター、日本看護協会のほか全国の多くの機関・大学が連携しながら、様々なアプローチでホスピス・プログラムを推進しています。

ホスピスケアを提供する施設の必要性が唱えられ始めた頃から、日本財団では質の高いホスピス緩和ケアを目指して、ホスピス緩和ケア病棟の整備を支援してきました。
また訪問診療や看護など、在宅ケアの推進にも早くから取り組み、ケアを実践する施設や団体への支援、また在宅ホスピス緩和ケア研究への助成も行っています。
◆施設整備の支援実績(12施設、261床)
ピースハウス病院(神奈川県足柄郡)
聖ヨハネ会桜町病院(東京都小金井市)
聖隷三方原病院(静岡県浜松市)
光ヶ丘スペルマン病院(宮城県仙台市)
賛育会病院(東京都墨田区)
日本赤十字社医療センター(東京都渋谷区)
薬師山病院(京都府京都市)
高槻赤十字病院(大阪府高槻市)
聖心病院(熊本県熊本市)
癌研究会有明病院(東京都江東区)
日本バプテスト病院(京都府京都市)
ヴォーリズ記念病院(滋賀県近江八幡市)

高齢化の進展、がん死亡率の増加などにともない、ホスピス緩和ケアの必要性はますます高まり、ケアに従事するスタッフの教育が重要な課題となっています。
ホスピス緩和ケアには医学的な知識だけでなく、心理社会学的な人間理解、コミュニケーション能力、チームワークなどが求められます。ケアの質的向上のために、内外の専門施設における研修制度、セミナーやワークショップの開催などを行っています。
◆認定看護師養成機関への支援実績(3機関、7大学)
(社)日本看護協会
(社)神奈川県看護協会
埼玉県立大学
北海道医療大学
(財)日本訪問看護振興財団
広島大学
白鳳女子短期大学
久留米大学
聖路加看護大学
大分県立看護科学大学
ホスピス緩和ケアへの理解促進や死の準備教育の一環として、市民向けのセミナー「memento mori(メメント・モリ)」、千葉大学の教養課程全学部生対象の寄附講義「いのちを考える」など、さまざまな切り口での啓発活動に努めています。
以下のDVDについては、笹川医学医療研究財団で無料レンタルを行なっています。
○「memento mori(メメント・モリ)」2007~2008開催分
○日野原重明「十歳のきみへ いのちの授業」
○ホスピス緩和ケアの歩み