障害者の地域生活支援


障害者の地域生活や社会参加を支える仕組みづくり


 日本財団では、障害の有無に関わらず誰もが地域で豊かに暮らせる社会を目指し、改修による福祉拠点の整備を積極的に推進してきました。

 2004年のボーダレス・アートミュージアムNO-MAを皮切りに、2011年までに合計3,151件(助成総額135億円以上)の改修・改装・機器の整備を支援いたしました。

 障害の有無に関わらず、誰もが地域で豊かに暮らせる社会を目指す——私たちの理念は変わりませんが、福祉拠点というハードの整備から、今後は、既存の制度の枠におさまらない、地域福祉に新たな風を吹き込む、活力と智恵と創造のあるソフト事業を中心に力を注いでいきたいと考えています。

<2011年度事業例>

障害者の地域生活支援
日本における精神障害者の社会的入院者数は欧米に比べて非常に多く、精神障害者の地域支援体制の整備が早急に必要とされています。しかし、国の法制度や病院の体制の問題、さらに地域の受け皿の不足により、退院が促進されていないのが現状です。このような問題を解決するために、当事者やその家族への支援と同時に、地域全体で支えるためのモデル的事業を支援し、精神障害者が地域で生活できる仕組みづくりに取り組んでいます。

(特)地域精神保健福祉機構では、ACT(包括型地域生活支援プログラム)チームの立ち上げコンサルテーションや研修会の開催を行っています。ACTとは、重い精神障害を持つ人が地域で生活するために、医療・保健・福祉領域のあらゆる専門家によって構成された多職種チームで支援するプログラムです。本団体はこのACTを実践したいという各地の事業体に対して研修会等を行い、地域全体で支える仕組みをつくることを目指し、活動を行っています。

また、先天的な脳の障害で起こる発達障害は、運動や学習に必要な特定の機能や、対人関係に困難さを抱えています。しかし、言葉や行動に問題が見られても、本人自身や家族、周囲が障害と認識することが難しい場合があり、障害の発見が遅れ、本人は孤立感や生きにくさを感じたり、いじめや虐待で苦しんだりしている例が見られます。多くの人が発達障害の特性を理解することで、発達障害者の生きにくさが改善され、早期の適切な支援が実現することを期待して、日本発達障害ネットワークが行う発達障害の理解啓発活動を支援しています。


福祉施設スタッフの人材育成
福祉施設で働く若手スタッフは、福祉という仕事にやりがいを見出している一方で、利用者へのケア等におわれ、十分な研修を受ける機会もなく、バーンアウトしてしまう職員が多いという現状があります。そのため、福祉施設のスタッフ不足は大きな問題となっています。そこで、福祉スタッフのための優れた研修プログラムの作成や、全国レベルの先進的施設でのOJTへの支援を通し、日本の福祉を支える人材育成を行います。

(特)み・らいずが行う「出稽古プログラム」は、福祉事業に携わって2年以上の若手福祉従事者が、積極的に事業展開を図る先進的な事業所に出向き、実践的な研修を受けるものです。若いスタッフが先進的な福祉団体の活動を直接体験し、それぞれの団体に多くの学びや経験を持ち帰ることにより、福祉の質の向上が全国に波及することを期待しています。


聴覚障害者の教育支援
手話を母語とするろう者にとっては、手話による教育を受けられる環境が重要です。しかし、日本の公立のろう学校では、手話による授業はまだ普及しているとは言えません。そこで、日本で唯一日本手話による教育を行っている(学)明晴学園や、北海道での手話による教室を支援しています。また、(学)日本社会事業大学では、手話による単位互換が可能な講義や、手話による予備校を開催しています。

今後は、子供のうちから手話にふれる環境をつくるための親子手話教室や、手話のフリースクールなどへの支援も実施したいと考えています。また、難聴者については文字による講義保障が必要と考えられることから、講義保障のための要約筆記者(パソコン要約筆記を含む)の養成、研修等を支援していきます。


真心絶品
福祉施設が工夫をこらして開発・生産する商品の中には、福祉の枠を超えるような、非常に優れた商品があります。そのような商品の魅力をより広く一般の方々にも知っていただくため、日本財団は「真心絶品」というブランドを立ち上げました。専門家の認定を受けた商品をインターネット上で紹介しています。
真心絶品URL:http://www.magokoro-zeppin.com/