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[ 2009-09-11]

2009年度インターン報告
「徹底したビジネス視点で工賃アップ!スワン」

丸山 綾子
公益・ボランティア支援グループ インターン


法人名 株式会社スワン
事業所名 スワンベーカリー銀座店
代表者 海津歩 氏
所在地 東京都中央区銀座2丁目12番15号
TEL/FAX 03-3543-1067/03-3543-1068
ホームページ http://www.swanbakery.jp/index.html
インタビュイー 財団法人ヤマト福祉財団 常務理事 早川雅人 氏

商品が出来るまで

言わずと知れたスワンベーカリー。ヤマト福祉財団の小倉理事長が障害者就労支援のためにつくったパン屋さんです。中でも第一号店の銀座店には、お洒落なカフェも併設され、スワンの理念が詰まっています。

一度買うとなかなか次に買うことのないモノよりも、繰り返し消費してもらえる食品を作り、お店のファンを増やして、売上を伸ばそう。そんな発想から、パンづくりにたどり着きました。


製品(Product)

スワンの商品は、徹底したターゲット分析の上に成り立っています。銀座店のターゲットは近辺に勤めるOL。牛丼屋は入りにくい、でもランチはお得に済ませたい…そんな声に応え、カフェはおしゃれな作りながら手ごろ感を重視。朝はトーストとサラダにコーヒーがお代わり自由のサラダプレート。昼はキッシュにパン・サラダを添えたランチプレートや10数種類に上るサンドイッチ。夜には仕事終りの会社員が気軽に立ち寄れるよう、アルコールも用意しています。

 


価格(Price)

パンは、1個80円から200円台前半までの価格帯から選べます。特に人気がある商品は次の3つです。さくさくの外皮とふんわりした生地のコントラストが楽しい人気の「メロンパン」は130円、風味豊かなクリームたっぷり入った「クリームパン」は170円、ピリ辛のソーセージが食欲を刺激するチョリソードッグは240円。その他、カフェで食べることのできるサラダプレートは500円、ランチプレートは650円、サンドイッチは550円から、と、手頃な価格で料理を楽しめます。

流通(Place)

店舗販売がほとんどを占めます。赤坂店では、忙しくて外に食事に行けない周辺企業向けに出張販売も行っています。

広報(Promotion)

大規模な広報よりは、見学者に対するお店の案内に力を入れています。見学を通じスワンの理念を知ってもらう狙いからです。見学者の方も一度お店に来ただけのお客様も満足してもらい、出来るだけ多くの人にスワンのファンになってもらうこと。そしてファンの方がもっと多くの方に魅力を広めてくれることが、一番の広報です。

ネット販売も行っていますが、これは販売チャネルを増やすことよりもむしろ、スワンがない地域の人にスワンを知ってもらうということが目的です。


利用者について

利用者の一番のお手本は、以前から働いている利用者の先輩たち。10年選手が多い利用者たちは、コックの専門的な仕事以外ならすべて柔軟にこなしていきます。割り振りは特にありません。「頑張ってあの人みたいに仕事が出来るようになりたい」という思いが仕事へのモチベーションになります。出来ることが増えれば時給も上がり、さらにやりがいが出ます。

はじめは単純な作業を指示されるだけで、主体的には何もできない利用者もいますが、そんな利用者も段々進歩し、自発的に動いて仕事が出来るようになっていきます。


地域との関係性

接客や販売は利用者と地域のよい交流の場になります。年に一度行う銀座クリーンナップ作戦では、利用者たちが道に落ちている煙草の吸殻を拾います。自然とポイ捨てが少なくなり、今では他の企業も同様のキャンペーンを行うまでになっています。


ここがポイント! まるちゃんビュー

おそらく最もビジネス戦略に力を入れている障害者就労支援事業がこのスワンでしょう。最も大切にしているのは、「障害者」を前面には出さないこと。お客様にとっては誰が作っているかより、おいしいかどうか、お腹が満たせるかの方が大事。だから商品とサービスの魅力で勝負する。そうして出来たファンの方々が、お店で働いている障害者を自然と受け入れてくれればいい。開店以来、その理念を貫き続けています。お昼時になるとカフェがすぐ満席になり、ベーカリーも女性客でごった返す人気ぶりも、その理念があってこそかもしれません。

(インタビュー日 2009/08/11)


~この調査報告書は、日本財団2009年度インターンシッププログラムにおいて作成しました~
■公益・ボランティア支援グループ 福祉チーム インターン学生(調査・執筆)
   筑波大学 芸術専門学群 3年 藤森瑞葉
   京都大学 総合人間学部 総合人間学科 3年 丸山綾子
■インターンシップチューター(企画・監修)
   公益・ボランティア支援グループ 福祉チーム 伊藤広毅