2009年度インターン報告
「レシピは6000!マイスター直伝のハム&ソーセージ上州水土舎」

公益・ボランティア支援グループ インターン

| 法人名 | (福)上州水土舎 |
|---|---|
| 事業所名 | 水土舎 |
| 代表者 | 金谷透 氏 |
| 所在地 | 群馬県富岡市後賀723-7 |
| TEL/FAX | 0274-64-1254/0274-89-1055 |
| ホームページ | http://www7.wind.ne.jp/suido/ |
| インタビュイー | (福)上州水土舎 理事長 金谷透 氏 |
赤城山麓で知的障害の人を受け入れている畜産農家との出会いがきっかけのひとつ。知的障害の人が働ける職場をつくるため、2年かけて会社の基盤をしっかり整えることから始めました。
ドイツのミュンヘンに人を送り込んでハムやソーセージを作る会社3社を回りました。そこでマイスター直伝のレシピをもらい、味を忠実に再現して作られたのがこの商品。少量多品種型の生産を行っており、レシピはなんと6000ほど。注文を受ければ、それに応じた商品をつくるというサービスも行っています。赤城山麓の生産者と連携して地元の材料を使い、スパイスはグレードの高い輸入品を使用。新鮮な材料を新鮮なうちに使い、無添加にこだわります。
原価率は3割ほどで、デパート等で販売されている高級ハム・ソーセージに相当する値段で価格が設定されています。
主な販路は大手百貨店、レストラン、ホテル、個人など多岐に渡ります。特に百貨店との付き合いは大きそうです。ただし、百貨店に商品を出すときは障害を持った人が作っているということは出さないようにしています。残念ながらお客様の中には障害を持った人が作っている、ということに良いイメージを持たない方もおり、高級店に出品するものなので、商品価値が下がることを避けてとのことだそうです。
雑誌の特集や新聞記事で取り上げられることもあるが、現在は口コミでのリピーターがついており、量産もしていないので、あえて宣伝に力を入れてはいません。
ほとんどの利用者の方が担当する作業は肉をミンチする道具チョッパーの操作とミンチ肉の充填作業です。自閉症の利用者には商品番号やカタログにない商品の情報を記録してもらい、販売・発送の時に活躍してもらっています。チョッパーは利用者が指を挟まないよう安全装置が備え付けてあり、危険が伴う作業は職員が担当しています。取引先の指導も受けながら衛生面を徹底的に管理しています。一日の労働時間は8時間。長い労働時間を確保し、送迎を職員が担当することで、利用者の家族の負担も減らしています。
仕事を覚えてもらう際は、感覚でできるようになるまで何度も何度も教えています。暴力的で薬を手放せなかった利用者も、仕事を続け賃金を得る中で、仲間とともにいきいきと働けるようになりました。自然豊かな環境とみんなで和気あいあいと一つのことをやり遂げる達成感がそうした変化をもたらしたのでしょう。利用者の息抜きも兼ねて年に一度工賃の積立金で旅行に行くというイベントもあり、やる気も増します。
ここでの成果が実り、地元の食品会社や事務職へ就職する利用者も多いそうです。
組織の孤立を防ぐため、外とのチャンネルをできるだけ多く作るよう努めています。市役所などでの街頭販売を通じて、地域の方と交流し、地元のボランティアグループや国際交流協会の活動への参加や地域の企業が主催する祭りに出店も行っています。
素材に対するこだわりとレシピの多さが一番の特徴です。さらにレシピの多さを活かして注文に応じて商品を作るサービス。百貨店など安定した販路が確保されていることも成功した要因のひとつではないでしょうか。障害者とその家族の支援に力を入れている上州水土舎。障害を持った人が働けるように会社の基盤をしっかり整えてからはじめた事業は利用者の就職にも結び付き、成果を出しています。
(インタビュー日 2009/08/20)
~この調査報告書は、日本財団2009年度インターンシッププログラムにおいて作成しました~
■公益・ボランティア支援グループ 福祉チーム インターン学生(調査・執筆)
筑波大学 芸術専門学群 3年 藤森瑞葉
京都大学 総合人間学部 総合人間学科 3年 丸山綾子
■インターンシップチューター(企画・監修)
公益・ボランティア支援グループ 福祉チーム 伊藤広毅