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[ 2010-01-06]

授産機器整備事業に関する調査結果報告書

伊藤 広毅
伊藤 広毅
公益・ボランティア支援グループ
福祉チーム


日本財団では、障害者の就労支援のための施設改修や機器整備助成を行っています。この度、これらの助成事業がどのような効果をもたらしたのかを明らかにすべく、パン製造事業を行う授産施設を対象とした調査を行いました。アンケート調査による障害者の工賃、意識変化、地域との関係性に着目した効果測定と、ヒアリング調査による好調な売上を達成する施設が実施する取組みについて明らかにしたものになっております。ぜひともご参考いただき、効果的な支援のためにお役立ていただければ幸いです。


パン製造を行う授産施設を対象とした助成事業の効果測定調査(報告)

【調査の目的】 助成事業の効果を可視化
 1.機器整備や改修助成事業により、障害者の工賃がいくら上がったかを明らかにする。
 2.成功事例のノウハウや要因を把握し、就労支援の活性化のための提案に結び付ける。

【調査の概要】 定量調査と定性調査
 1.アンケート調査
   ◇調査対象:2002年度~2008年度における助成先団体全65団体(有効回収数は50)
 2.ヒアリング調査
   ◇調査対象:月あたりの売上が100万円を超える4団体を上記より選出


【調査結果】 量的ならびに質的な効果を達成している

  工  賃     
月額平均7,554円アップ(約50%増)
(以前14,900円→現在22,400円)
意 識 変 化 
《障害者》 モチベーションが向上している
・役割として必要とされる喜びを感じている
・おいしいと言ってもらえる喜びを感じている
・働く仲間やお客さんとの人間関係ができている
《支援者》 パン事業に手ごたえを感じている
・障害者の意識の変化があった
・当施設の評判が上がった
・工賃が確保しやすくなった
地域との関係性
地元地域との関わりが強くなった
・パンの販売や地域イベントの参加により、地域の需要に応えている
・販促活動が活発化している
・働く仲間やお客さんとの人間関係ができている

【明らかとなった4つの成功要因】

1.計画的な事業拡大(設備拡充)を行うこと。  ⇒ 販路から設備を考える。
2.日常的な販路の確保に努めること。  ⇒ 店舗外での販路を開拓する。
3.品質の維持と新商品開発を継続すること。  ⇒ 職人を確保する。
4.下請け的な体質から脱却すること。  ⇒ 第三者への卸売りを安易に行わない。


【今後の課題】
障害者が自立した生活(障害年金を受給しながらグループホームで自活する場合を想定)を営むには工賃2万円台では十分とはいえない。さらなる工賃のアップを目指すため、成功要因を踏まえながら、販路拡大のための移動販売車の配備、人材育成のための研修制度の実施に力点を置き、売上増のための支援を引き続き展開していく。


[お問い合わせ先]
日本財団 公益・ボランティア支援グループ 福祉チーム
電話番号: 03-6229-5111 (代表)
FAX番号: 03-6229-5160