高校生がNPOを立ち上げ
筑波大附属坂戸高と財団学校プロジェクト

総務グループ
企画推進チーム

日本財団の職員有志で作る「日本財団学校プロジェクト」は、埼玉県の筑波大学附属坂戸高校が開発した2年生の「起業基礎」の授業の中で、2010年4月から1年間を通してNPOや社会貢献をテーマに授業を続けている。2学期は、実際にNPOを立ち上げることを課題にした授業を進め、2学年160人の生徒が約30のグループに分かれ、それぞれが団体の立ち上げについて取り組んだ。
生徒たちはメンバーの合意で地域から社会全般にわたって「解決すべき問題の設定」を行い、同高校の教師と日本財団職員による審査委員にNPOとしての企画書を提出、プレゼンテーションを経て審査を通過したグループは活動資金の助成を受け、NPO活動を実践するという流れだ。最終的に9団体が審査を通過、NPOを立ち上げた。このうち1つのNPOの活動を報告する。
2月5日土曜日。3月下旬ころの暖かな陽気に恵まれた日よりの中、埼玉県坂戸市の住宅街にある用水路で、2年生5人が立ち上げたNPO「Limiter of Hazard」が、EM菌(有用微生物群)入りの泥団子を使って水質改善について教える「環境教育と共に環境改善プロジェクト」を実施した。
同NPO代表の増山昴平君が、集まった数人の小学生に対し、家庭からの排水で用水路が汚れてしまっている現状や、泥団子がどのように水をきれいにするのかを紙芝居で説明した。この後、用水路の上流まで子どもたちを連れて行き、きれいな水があふれる上流部分と、民家が建つにつれて用水路が汚れていく様子を一緒に歩きながら分かりやすく解説した。
増山君が「本当はここには下水道を造らなければならない。でもお金がないから造れないので、僕らできれいにしなくてはいけないのだよ。この泥団子は、汚い部分を食べて水をきれいにしてくれるんだよ」と話すと、子どもたちは目を輝かせて聞き入っていた。引き続き、実際に用水路に入って泥団子20個余りを入れた。作業が終わると子どもたちは「これで用水路がきれいになるの?これは簡単だ」と、感心していた。
学校プロジェクトの授業では、自分たちの考えた「事業」について広報活動をして「初めて活動が終わる」と教えており、それぞれのグループが独自の広報活動を展開している。Limiter of Hazardのメンバーも活動報告を作成した。その原稿を以下に掲載します。
2011年2月5日(土)筑波大学附属坂戸高等学校(以下、筑波大坂戸)の生徒が興した団体 “Limiter Of Hazard” による環境教育が行われた。
“Limiter Of Hazard” は筑波大坂戸が展開する、起業基礎という起業活動を体験する授業の中で立ち上げられた構成員5人の非営利団体である。この団体の狙いは、小学生を対象に環境教育を展開することで、身近にある環境の問題に目を向け、環境意識を行動へ移すことの大切さ、簡単なことから改善できることを広めるところにある。

第1回目の活動となった今回は、水生植物の葦の定植とEM菌を混ぜた泥団子づくりを坂戸市北峰の生活排水が流れ込む用水路の水質改善を目的に実施した。紙芝居を用いて葦と泥団子が水質を浄化するメカニズムを説明した後に、用水路に入り、実習をした。
参加した小学生は、泥団子が水をきれいにするということに興味を示していた。「普通の泥ではだめなの?」などと質問も積極的にしていた。活動後の感想を聞くと、「楽しかった。簡単なことで水がきれいになることを知った」と活動を楽しんだようだ。
団体のメンバーは、「これまでに、たくさんの壁があったが、先生たちのフォローや沢山の人の協力のおかげで実現することができた。今回は参加者が少なかったが、今後、広報活動を行い、少しずつ事業を大きくしていきたい。大人が主催の環境活動はたくさんあるが、高校生が主催する活動は少ないと思うので、高校生らしい視点からの活動をしていきたい」と、これまでを振り返るとともに今後の抱負を述べた。