日本に伝わる文化への支援

日本財団は、日本に昔から伝わるさまざまな文化は、日本人としてのアイデンティティ(郷土や自国を愛する心)を育てるだけでなく、多様な価値を社会に提供する可能性を持っていると考えます。

伝統文化の重要性

普及・発展段階ごとに伝統文化が社会にもたらす価値をフェーズ別で表した図版。伝統文化に親しむ・触れるフェーズでは、例として「誰もが文化に親しめる場の提供」や「神社や寺など地域のシンボルの再生・継承」が挙げられる。これらは私たちに自国である日本や、地域への誇りを醸成させる。伝統文化を受け継ぐ、定着させるフェーズでは、例として「祭りなど行事を通じた住民同士の交流の促進」や「何らかの生きづらさを抱えている人でも地域社会に取り込んでいく、伝統文化を通じた社会的包摂」が挙げられる。これらは地域共同体を形成し、強化し、活性化させる。その次のフェーズは、今ある伝統文化を発展させ、新しい伝統文化を生み出すものである。例として、「工芸品などに見られる卓越した技術の既製品への転用」や「新しい文化との融合による市場開拓」「地理的な潜在市場がある場合はその開拓」などが挙げられる。これらは市場開拓、外貨獲得の役割をもつが、新たにそれらが定着することにより、新しい文化となり、私たちの誇りの醸成につながっていく。
普及・発展段階ごとに伝統文化が社会にもたらす価値

伝統的な文化がもつ可能性を最大限発揮できるような多様な仕組み・支援が必要と考え、伝統文化にかかわる人材の育成、子どもたちへの伝統文化の普及浸透に向けた活動など、これまでさまざまな形で支援をしてきました。
今後は、これまで培った伝統文化をさまざまな働きかけにより発展させ、新たな伝統文化を生み出すことで、次世代の新たな誇りの醸成、アイデンティティ形成につなげていくような事業を中心に、積極的に事業を展開していきます。

これまでの日本財団の取り組み

伝統文化に触れ親しむこと(自国/地域への誇りの醸成)、その伝統文化を受け継ぎ、定着させること(地域共同体の形成・強化・活性化)、そしてそれらを発展させ、新たな文化を生み出す(市場開拓・外貨獲得)に取り組んでいます。

【自国/地域への誇りの醸成】

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式年遷宮の歴史などを伝える「せんぐう館」(外宮・勾玉池前)

伝統文化や古典芸能、地域に根付く民俗文化などに触れ親しむことで、私たちは自国や地域に愛着を感じ、日本人としての誇りを抱くことができます。

金剛能楽堂(京都府)や、せんぐう館(三重県・伊勢神宮 内宮)の建築などへの支援を通じて、日本の文化を伝える取り組みを積極的に行っています。また、これまで各地の伝統文化継承活動に必要な道具の整備も数多く行ってきました。

さまざまな理由で国や他の助成財団などからの支援が難しいもので、効果が高いと認めるものについては引き続き支援の対象とする予定です。

拠出額:1,453,236,000円(2016年8月時点)

<内訳>

伝統文化に携わる人材の育成

  • 後継者育成 37,565,000円(11件)
  • 語り部育成 11,797,000円(6件)

伝統文化財の保護

  • 道具整備 80,350,000円(37件)
  • 建造物改修 513,500,000円(7件)

子どもたちへの伝統文化の普及浸透

  • イベント開催 343,604,000円(97件)
  • 障害児向け 11,620,000円(3件)

伝統文化施設の建築・修繕 454,800,000円(6件)

【地域共同体の醸成・強化・活性化】

写真:東北の人々
東日本大震災で被災しながらも復活を遂げた釜石の虎舞

伝統を次世代に引き継ぐ行為や、文化を地域コミュニティーの中に根付かせたり、受け継ぐ方たちの中で定着させたりといった行動により、地域は共同体としての意識を強く持ち、活性化していくことが期待できます。

拠出額:1,966,570,635円(2016年8月時点)

<内訳>

コミュニティーづくり 11,458,000円(8件)

伝統文化の普及活動

  • イベント開催 342,708,000円(34件)
  • デジタルアーカイブ構築・デジタル化 23,000,000円(2件)

東日本大震災関連(まつり応援基金など) 1,589,404,635円(約165件)

【市場開拓・外貨獲得】

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東京・六本木ヒルズに文楽の本格的な舞台が出現

伝統はただ守り受け継ぐだけでよいわけではありません。新たな文化との融合や、今までにない市場を開拓することや、外貨を得るといった柔軟な取り組みを取り入れることにより、新たな文化が生まれる可能性があります。それはまた、日本の新しい伝統のかたちとなり、私たちに地域や自国に対する愛着を感じさせるものとなると考えています。

拠出額:376,325,000円(2016年8月時点)

<内訳>

にっぽん文楽 〜飲みながら、食べながら文楽〜(3年目) 315,074,000円

いろはにほん ~Experience the Soul of Japan~ 61,251,000円

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