日本財団在宅看護センター起業家育成事業

写真:在宅介護サービスを受ける高齢者

地域に根差した在宅看護サービス事業所を運営・経営できる看護師の育成を目的に、笹川保健財団を助成先として、2014年~2021年に「日本財団在宅看護センター起業家育成事業」を実施しました。7年間で108名の看護師が参加し、これまでに28都道府県、約150ヵ所で「日本財団在宅看護センター」が開業されています(2023年5月時点)。

看護師が社会を変える

政府の2022年版「高齢社会白書」によると、2021年10月時点で高齢者人口は3,621万人を超え、日本の総人口に占める65歳以上の割合は28.9%に達しています。急激に進む高齢化の中で、政府の医療政策は、これまでの病院中心の医療サービスから在宅でのケアへと移行しつつあります。日常の生活の中で行われる在宅医療においては、生活を整えるという役割を持つ「看護」の役割はさらに重要なものとなります。

また、「終末期を自宅で過ごしたい」という希望を持つ方も多く、在宅看護へのニーズは高まっています。

しかし、国内で看護師として働く約150万人のうち、訪問看護に従事する人は約4万人です。

笹川保健財団等との協力により、緩和ケアや訪問看護の専門家であるホスピスナースの育成に取り組んできたことから、看護師を中心とする全国的な在宅看護サービスの担い手育成及びネットワーク作りを目指し、本事業に取り組んでいます。
医師の指示を受けて動くのが当たり前と考えられていた看護師が独立して、地域の医療と介護を結び付け、国民の健康管理を積極的に支える存在となることが、高齢社会で予測される様々な課題を解決する第一歩となります。

「日本財団在宅看護センター」とは

事業の目的

地域を拠点とする「日本財団在宅看護センター」の開設と普及のため、その趣旨を理解し起業・運営・経営を担うことができる看護師を育成し、全国100カ所での開設を目指して、2014年に事業を開始しました。このセンターは看護師を中心とした地域包括的な在宅医療を担う事業所です。地域の医療施設や介護施設等と連携し、地域住民の入退院や健康管理をはじめとするプライマリケアを提供することを目的としています。医療施設から退院した患者のフォローに加え、徐々に生活力・生存力が低下する高齢者を対象に、予防から看取りまで地域のニーズに応えるケアを提供します。

日本財団在宅看護センターの特徴

  • 看護師を中心に介護士、理学療法士、作業療法士(非常勤含む)等、10〜15人の体制。
  • 適切な地域規模または人口規模を24時間カバー。
  • 地域の公・私立医療施設、診療所、開業医、地域包括支援センター、その他介護・老人保健施設、薬剤・給食・リハビリテーション施設と連携。
  • 都市、農村、山村、漁村等の地域差に対応。

事業内容

「日本財団在宅看護センター」を起業・運営する人材を育成します。
10年程度の臨床経験を持ち、在宅看護への意欲の高い看護師を対象に、起業・運営ノウハウ、介護・福祉・リハビリテーションなど専門知識の修練を含む研修を実施しました。2014年から2021年の7年間で108名の看護師が研修に参加し、研修修了後、開業したセンターは28都道府県で約150ヵ所にのぼります(2023年5月時点)。

事業パートナー

お問い合わせ

公益事業部 国内事業審査チーム

  • メールアドレス:cc@ps.nippon-foundation.or.jp

※件名に「日本財団在宅看護センター起業家育成事業」とお書き添えください。