海洋関連の学際的な講座設置

新世紀を拓く深海科学リーダーシッププログラム

写真

世界の海洋の約75%を占めている深海 (水深1,000メートルを超す海域) は、「地球最後のフロンティア」と呼ばれています。

深海には様々な海洋生物や鉱物などの地下資源が存在していますが、未だその全容は解明されていません。また、深海は海洋環境の変化や気候変動を観測するためのフィールドとしても注目されています。特に昨今では「海洋の総合的管理」の視点からもその利用と保全の必要性が急速に高まってきました。

しかしながら、国内では研究者が不足しているためにこれまで戦略的な深海科学研究はなされてきませんでした。

国土は世界第60位の広さながらも、日本は世界第6位の広さの排他的経済水域を保有していますが、深海科学研究者は全国に約200名程度とされています。
この数は諸外国と比較して非常に少ないのが現状であり、日本の深海科学研究のためには長期的視点に基づいた人材の育成が喫緊の課題となっています。

この現状に対応するため、私たちは深海科学の中核を担う研究者の育成を目的として、東京大学海洋研究所が行う総合的な深海科学研究者育成プログラムを支援しています。

これまで、このプログラムでは日本で唯一の深海科学講座である「深海科学概論」の開設やマリアナ海溝への深海観測実習などを実施してきました。
2007年度に英国アバディーン大学と協同で実施した深海観測実習では、水深10,000メートルの海底で新種と推測される海洋生物の撮影に成功しています。

今後は、若手研究者の技術向上の一環として国内で初めて回収型深海底用観測機器の製作にも取り掛かる予定です。
本事業によって、次世代の深海科学と海洋の総合的管理を担う人材が輩出され、「地球最後のフロンティア」に挑む研究者が育成されることを期待しています。