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文芸ファン熱狂の「第2回 東京国際文芸フェスティバル」


昨年に引き続いて開催された2014年の「東京国際文芸フェスティバル」(日本財団主催)は、規模を大幅に拡大。10日間に渡り、都内各所で8つの主催・共催プログラムと、約40のサテライトプログラムが行われた。世界中から集まった作家や文芸関係者たちと日本の文学ファンが交流する模様を動画で紹介する。

2014.08.20

東京に文芸があふれた10日間

2回目を迎えた「東京国際文芸フェスティバル」(以下、文芸フェス)には、海外からピューリッツァー賞作家のジェフリー・ユージェニデス氏、ジュノ・ディアス氏、映画「クラウド アトラス」の原作者デイヴィッド・ミッチェル氏など世界10カ国から現代文学の最前線で活躍する作家約20人が来日。国内からは川上未映子氏、平野啓一郎氏、円城塔氏、今年はじめて参加する江國香織氏、中島京子氏、西加奈子氏、本谷有希子氏、水村美苗氏などの著名作家が多数参加した。主催・共催プログラムはすべて事前予約で満席となる人気ぶりで、のべ2700人の文芸ファンが会場に足を運んでくれた。

文芸フェスは、「本」をツールとして海外における日本理解の促進を図る日本財団「Read Japan」プログラムが開催する日本初の本格的な国際文芸祭。これまで日本の文芸作品の海外への紹介や海外における日本文学の翻訳家の育成などを支援してきたが、2013年に日本文学と海外文芸界とをつなぐネットワークづくりの集大成として文芸フェスを開始した。
写真:オープニングイベントで挨拶する日本財団常務理事の田南立也初日のオープニングイベントに出席した日本財団常務理事の田南立也は、「文芸フェスによって、文学作品、作家、編集者、多くの出版関係者、そして読者をつなぎ、文芸都市・東京の価値を高めてもらいたいと思います。ファンのみなさん、読書は作家から読者への一方通行ですが、このフェスでは作り手側との交流ができます。このお祭りを楽しんでください」とあいさつした。

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大手書店なども参加し、規模が拡大

前回のフェスティバルの成功によって、開催期間が拡大しただけでなく、アジアの作家のみが登壇するプラグラムや大使館とのコラボレーションなど新しい試みが行われ、サテライトイベントとして出版社や書店、文芸サークルなどの自主企画イベントが約40件も開催された。

写真:平積みされたおすすめの本サテライトイベントのひとつ、紀伊國屋書店新宿本店および新宿南店で開催されたオリジナル企画「世界に届けたい日本文学/日本に届けたい世界文学」は、本好きの書店スタッフが昨年の文芸フェスに参加、普段は会うことができない海外の作家の生の声に感激して、自社でも何かできないかと提案したのがきっかけだという。
「世界に~」では、文芸フェスの企画委員でもある早稲田大学の市川真人准教授と、紀伊國屋書店の文学好きサークル「ピクウィッククラブ」がそれぞれ約40冊ずつ、おすすめ本を選定。新宿本店2階の入り口付近の目立つ位置に、文芸フェスのシンボルである黄色いロゴの専用の棚が設けられ、純文学、ミステリーからコミックスまで幅広い作品が並んだ。一方、「日本に~」は本店7階の翻訳書コーナーで日本を代表する翻訳家や海外文学研究者が厳選した作品を紹介。今回のフェスティバルに初めて参加したアジア出身の作家の作品を含め、まだ日本で翻訳されていない作品が数多く挙げられた。

写真:文芸フェスの企画委員の早稲田大学の市川真人准教授10日間のフェスティバルを終えて、市川氏が今年の成果をこう振り返ってくれた。
「開催するだけで精一杯だった昨年と比べて、今年は、出版社や書店の方も加わって、さらににぎやかなお祭り感が増しました。主催イベント以外に開催された自主企画のサテライトイベントでは、本を乗せたトラックが走ったり、アマチュアの方によるリーディングを行ったりと幅の広い催しになりました。文芸ファンの方はもちろん、参加した学生のボランティアも含めて、とても楽しそうに関わってくれたので、来年以降はもっと多くの方が参加して、東京中を巻き込むような大きなフェスティバルになればよいなと思っています」

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主催・共催プログラム

東京国際文芸フェスティバル 2014オープニング!(伊國屋サザンシアター)

2月28日(金)

ジュノ・ディアス、本仮屋ユイカ、西加奈子、松家仁之、ネイサン・イングランダー、アレクサンダル・ヘモン、エトガル・ケレット、デボラ・トリースマン、ジョン・フリーマン、市川真人

短編小説で学ぶ「失恋入門」

3月1日(土)

江國香織 、本谷有希子、都甲幸治、小野正嗣、ジュノ・ディアス、エトガル・ケレット

Monkey Business 第4号刊行イベント(Cafe104.5)

3月2日(日)

ブライアン・エヴンソン、デイヴィッド・ピース、柴崎友香、柴田元幸

「どうかいてんねん?」ジョン・クラッセンと長谷川義史の絵本の世界(在日カナダ大使館)

3月5日(水)

ジョン・クラッセン、長谷川義史、幅允孝
(共催:在日カナダ大使館)

いま、アジアで『文学する』こと(国際文化会館)

3月6日(木)

平野啓一郎、中島京子、キム・ヨンス、タッシュ・オー、ウティット・へーマムーン
(共催:国際文化会館、特別協力:国際交流基金)

六本木BUNGEIナイト!(アカデミーヒルズ・タワーホール)

3月7日(金)

ロバート・キャンベル 、水村美苗、 小野正嗣 、デイヴィッド・ミッチェル、ルース・オゼキ、ジェフリー・ユージェニデス

GRANTA JAPAN 創刊イベント!(SuperDeluxe)

3月8日(土)

中島京子、本谷有希子、村田沙耶香、デイヴィッド・ミッチェル、デイヴィッド・ピース、円城塔、イガラシ・ユカ、ルース・オゼキ、タッシュ・オー、市川真人、辛島デイヴィッド 他

東京国際文芸フェスティバル2014 クロージング!(早稲田大学 27号館 小野梓記念館)

3月9日(日)

川上未映子、堀江敏幸、ジェフリー・ユージェニデス、ジュノ・ディアス、マームとジプシー 他
(共催:早稲田大学文化推進部)

写真撮影:コデラ ケイ、川本聖哉、三輪憲亮