東北を復興へ導く「ROADプロジェクト」
みんなのいのち

50億円を超える寄付が、復興の「道」を拓く


日本財団による東日本大震災復興支援活動「ROADプロジェクト」は、国内外から寄せられた50億円を超える支援金で、現地で働くNPOやボランティア団体の活動をサポートしている。被災地のニーズを把握し、専門のNPOと連携する、新しい災害支援の概要を説明する。

2012.10.01

被災地での支援活動を支える「支援金」

ROADプロジェクトとは、日本財団が計画・実施する災害救援・復興プロジェクト。

このプロジェクト名は、復興という名の「道」、明日への希望という「道」、一人ひとりの夢に続く「道」など、東北の未来に続く「道」をしめす「ROAD」と、「どんな困難も乗り越える力—Resilience will Overcome Any Disaster.—」の頭文字をとった「ROAD」の二つの意味で名づけられた。

写真:東日本大震災の被災地の様子

2012年9月18日現在、個人、企業を含めた多くの方々から寄せられた寄付の総額は52億3039万9347円に上る。この日本財団に寄せられた寄付金は、NPO活動のための支援金として、全額、被災地への支援に充てられている。また、企業や福祉団体からは現地で必要としている物資の提供を受けた。「ROADプロジェクト」は、これらの寄付や救援物資を活用して、共に被災地で活動を行うNPOと連携することで、より効果的な支援活動を可能にした。

同じ被災地への支援でも、日本財団への寄付は、被災者救済のために直接的に被災者に配られる「義援金」ではなく、現地で支援活動を行うための活動資金として使用される「支援金」となる。

一般に「義援金」は、日本赤十字社や(福)中央共同募金会などに寄せられた募金について、各県に設置された義援金配分委員会が配分基準を定めて、市町村を通じて、被災者全員の手元に届けられるものだ。これに対して「支援金」は、震災発生直後にボランティアの現地での移動、物資の運搬、がれきの撤去、炊き出しなどの費用として使われたほか、現在に至るまで教育、医療、福祉などさまざまな分野での支援活動の資金となっている。

写真:東日本大震災の被災地での支援活動の様子

ROADプロジェクトのスタート

東日本大震災発生から2日後の2011年3月13日、日本財団では緊急幹部会が開催された。会長の笹川陽平をはじめとした全役員に加えて、災害支援活動の経験を持つ若手職員も参加、約30人が出席した。震災当日の午後8時に「東北地方太平洋沖地震支援基金(後に東日本大震災支援基金に改称)」が開設され、NPOによる募金活動も開始されていることが報告された。

写真:街頭での募金活動の様子

この緊急幹部会で「被災地を世界中のみんなの寄付金で支える活動」を全国的、世界的に展開するというコンセプトの大枠が固まり、ROADプロジェクトがスタートした。

日本財団ROADプロジェクトの支援活動は、日本財団活動指針『フィランソロピー実践のための七つの鍵』に挙げられている「あまねく平等にではなく、優先順位を持って、深く、かつ、きめ細かく対応すること」「失敗を恐れずに速やかに行動すること」に則って実践している。

「被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト(通称:つなプロ)」代表幹事のひとりで、ダイバーシティ研究所代表理事の田村太郎氏は「今回の震災で、助成機関である日本財団が自前の資金だけでなく寄付を広く募ったことは、大きなチャレンジだったと思います。寄付するという行為は、被災地に行きたくても行けない多くの人に、参加の機会を与えることになる。またROADプロジェクトは、動きが早かっただけでなく、資金に多様性を生み出したことも重要です。赤十字や自治体など公的機関への寄付は、行政に期待するということ。でもいまや行政はこれまでのように機能できない構造になってしまっている。だから公的機関以外にも資金の流れを使ったことはとても重要なのです」と話す。

広く平等に配布される義援金ではなく、「自分たちがしたいと思っている支援活動を代わりにやってくれる団体」に対して支援金を送りたくても、個人が各ボランディア団体を評価して活動資金を提供することは難しい。そこで被災地とNPOを結びつけるコーディネーションができる日本財団のような助成団体が資金を集め、現地で活動しているボランティア団体の活動内容を評価し、資金を提供することで、さまざまなニーズをカバーする。それができたことは、次に恐らく来るであろう震災に向けて、大きな一歩となったのではないかと、田村氏はRoadプロジェクトを評価した。

地震発生から約4ヶ月間は、緊急支援期間として、被災地のニーズに基づき、迅速かつ柔軟に各プロジェクトを実施。特に、震災発生直後に実施した弔慰金・見舞金の配付、NPO・ボランティア団体への上限100万円の緊急活動助成は日本財団の機動力を生かした取り組みとして高く評価された。その後は中長期的な視野に立った復興支援に取り組んでいる。これまで実施したプロジェクトについては、「ROAD PROJECTウェブサイト」に掲載している。