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被災した大船渡港の復興を支えるコンテナ運搬トラック


東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた岩手県最大の港、大船渡港に2013年9月末、震災発生以来2年半ぶりに、国際コンテナ定期船が就航した。復活を支えたのは、日本財団からの港湾施設への支援だった。

2013.10.28

充実した受け入れ体制が、活気のある港をつくる

震災後初めての国際コンテナ便の到着を待つ大船渡港野々田埠頭。津波で壊れた大型クレーンもきれいに修復されている。その隣に止まっているのは真新しい5台のコンテナ運搬用トラックだ。車体の横には福祉車両でもおなじみの日本財団シェアマーク。これらのトラックは船からおろされたコンテナを埠頭からコンテナヤードなどに移動させる際に使用される。震災以前、港で使えるコンテナ用トラックはわずか1台だったため、港の機動力が一気に5倍に増強されたことになる。

この5台のトラックとシャーシは、日本財団の支援により大船渡港の国際コンテナ定期航路の開設に合わせて導入されたもの。現在、同港では行政と民間企業が一体となって「大船渡国際水産・物流拠点形成プロジェクト」が進行中で、その一環としてコンテナターミナルの設備が整備された。日本財団では、既に完成している管理棟と前述のトラックのほか、今後、共同コンテナ用上屋、税関検査場の建設の支援を行い、トラックスケール(重量計測器)やフォークリフト3台を提供する予定だ。さらに、同プロジェクトでは隣接して整備も進めているが、日本財団は津波で流出した冷蔵・冷凍施設等の建設に対しての支援も行う。2015年春までに全ての施設が完成する見込みだ。

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岩手県最大の港である大船渡港は、東日本大震災による津波で大きな被害を受けた。2007年に開設された韓国・釜山との定期航路も震災で休止した。一方、サンマなど全国有数の水揚げを誇る漁港としての基本的な機能は2011年夏には回復したが、大規模な貨物船が入港するために必要な設備の復旧は遅れ、東北地方の国際物流の拠点としての大船渡港の復活が待たれていた。岩手と米国が結ばれる今回の新しい航路で、ようやく国際物流復興への第一歩を歩み出した形だ。

写真:定期航路開設のセレモニーの様子日本財団理事長の尾形武寿は、2013年9月28日に行われた定期航路開設のセレモニーで海運における港湾の荷役設備の重要性を強調した。
「船を港に集めるためには港湾荷役の整備が不可欠です。かつて、日本を代表するハブポートだった神戸港に入港する船の数は、阪神大震災以前の水準にまで回復していません。これも荷役の整備が遅れたからです。海運を支えるのは港の荷役です。物流が動けば、経済が動き、雇用も生まれます。荷主が海運を利用したいと思ってくれて初めて新しい船が建造されることになり、造船業も活性化します。これを機に頑張って行きましょう」

台風の影響で当初の予定より2日遅れの9月30日、第1便となるコンテナ船が大船渡港に入港した。岩手県内で生産された機械類の入ったコンテナ2個が船に積み込まれ、仙台港を経由して東京湾の京浜港に向かう。京浜港で外航用の大型船に積み替えられ、最終目的地の米国に向かうという。コンテナ船は週1回寄港予定。

撮影:コデラケイ