第14回フォーラム2000 〜アジアパネル〜

ヨルダン・アンマン

ご来場のみなさま、このような場でごあいさつさせていただける機会を頂戴し、大変光栄に存じます。フォーラム2000は今年で14年目を迎えましたが、昨年初めてアジアに焦点を当てたパネルを開催し、参加者の方々から大きな関心を呼びました。そして、今年も、「The World We Want to Live In: The Asian Perspective」をテーマに本パネルを開催できたことは非常に意義深いことと感じております。

私は日本財団の職務を通じて世界中を訪れるなかで、世界のダイナミックな変化を目の当たりにしてきました。そしてその変化を、アジアで強く感じてまいりました。

今、アジア地域は、非常に速いスピードで大きな発展をしています。アジア地域の経済成長はアジアに住む人々のみならず、世界中の人々に大きな恩恵をもたらしてきました。多くの人口を擁し、バイタリティの溢れるこの地域の重要性は、今後も継続し、さらに拡大することでしょう。

一方で、アジアは大きな問題とも対峙しています。経済発展は続いているものの経済格差はむしろ拡大しており、急速な工業化が進む一方で環境破壊も深刻化しています。また、民主化のプロセスが進みつつありますが、人々の人権が侵害されている状況も根強く存在しています。そして、これらの問題はアジアのみならず、世界が抱えているグローバルで複雑な課題でもあり、アジア地域のみでは解決できないものです。今やアジアは、発展という側面からも、問題という側面からも、世界の欠かせない一部となりました。

さらに、アジアは、様々な言語、信仰、文化を擁しています。そのような多様性をもったアジアの視点が加わることにより、グローバルな諸課題(global and humanity issues)をテーマにしてきたこのフォーラム2000での議論にも深みと厚みが増すのではないでしょうか。

このセッションのパネリストの皆さまは、アジアを代表する学者やジャーナリスト、政治リーダーの方々です。そのような方々の経験と知見が共有されることで、今年のフォーラムのテーマでもある「The World We Want to Live in」に関する議論が実り多いものとなることを心から期待しております。