世界ハンセン病の日記念イベント 家庭内で実施する感染の早期発見活動開始式

インドネシア・東ジャワ州

皆さま、本日は、皆さまの前でご挨拶する機会をいただき光栄に思います。

皆さまご存知の通り、ここインドネシアでは、WHOの定める人口1万人あたり1人未満という公衆衛生上のハンセン病の制圧目標を2000年に達成しています。それでも、この国家レベルでの制圧に甘んじることなく、その後15年以上の間、ハンセン病の蔓延地域を中心に積極的な活動を続けてくださっている大臣閣下はじめ、皆さまに深く敬意を表します。

私たちが次に目指すべきことは、このような蔓延地域をなくすことです。

ここ東ジャワ州マドゥラ島では、年間2,000人のハンセン病患者が発見されていると聞いています。私の経験上、このような蔓延地域では、ハンセン病について知らない人が多いように思います。例えば、ハンセン病はどのような症状が出るか知らない人。治療を受ければ治るということを知らない人。治療が無料で受けられるということを知らない人。その結果、早期に適切な治療を受ける人が少なくなってしまうのです。

この度、インドネシア政府は、「家庭内で実施する感染の早期発見活動」を新たに打ち出しました。私は、これは非常に重要な取り組みであると思います。この活動によって、東ジャワの人々がハンセン病の知識を得ることができれば、患者の早期発見、早期治療にもつながります。ハンセン病は、初期症状が出た段階で発見ができれば、適切な治療へとつなげることができます。これが、ハンセン病を完治させるための鍵となります。

私が、ハンセン病の早期発見、早期治療が重要だと何度も強調して言うのにはもう1つの理由があります。

ハンセン病は、早く発見して治療しないと、後遺症として身体に障害が残る可能性が高まります。そして、その障害によって患者は恐れられ差別されてしまうことがあります。皆さまご存知の通り、ハンセン病の差別の問題は根深く、簡単に解決することはできません。しかし、早期にハンセン病を発見し、治療を受け、ハンセン病に起因する障害を未然に防ぐことができれば、患者が差別される可能性を大きく減らしていくことができます。

この早期発見のための活動は、東ジャワ州だけでなく、南スラウェシと中央スラウェシにも広めていき、その後、全国に展開していくと伺っています。このインドネシア政府主導のイニシアティブを大いに歓迎します。

まずは、この東ジャワでの活動が軌道に乗るよう、スカルウォ知事には、強いリーダーシップを発揮して進めていただきたいと思います。そして、ここでの活動がモデルとなり、インドネシア全土における大きな成果につながることを期待しています。

各市の市長の皆さま、そして各市保健局長および村長の皆さまの積極的な活動にも期待しております。皆さまには、取り組むべき課題が他に多くあることは理解しておりますが、ぜひ、この機会にハンセン病への取り組みにも今一度力を入れていただきたく、ご協力をお願いします。

最後に、本日お集まりのマドゥラ島にお住まいの皆さま。この活動は、皆さまやご家族の健康のための非常に重要な取り組みです。皆さまの積極的な参加をお願いします。