プロジェクトニュース

[ 2009/09/15]

自死遺児の心のサポートとつながり場に参加して【闘う命のために】


夢の貯金箱では、寄付者の皆様からのご寄付で、プロジェクトパートナーであるLive on(リヴオン)が行った自死遺児の心のサポートとつながり場づくりを応援しています。2009年9月に行われた同集いの参加レポートです。



YES for Life 命の大切さについて考える

自らの体験を振り返る参加者たち
自らの体験を振り返る参加者たち

「あなたは何も悪いことをした訳じゃないんだから、隠れる必要はない」
自死遺児としてテレビに出演したことのある女性の祖母の言葉。
本人たちには何の罪もないのに、それが他の人に語れない日本社会。
 2009年9月11日から2泊3日、東京府中市のホテルで親を自死で亡くした学生、社会人たち8名が集い、それぞれの思いを共有した。「YES for Life」は、Youth Ending Suicide(若者の手で自殺に終わりを)の意味。2日目の参加者自らが体験を振り返る「自分史」の時間に同席し、参加した皆さんの思いを前に、多くのことを考えた。


「夢の貯金箱」の寄付金でイベント開催
「夢の貯金箱」の寄付金でイベント開催

 私が今回のイベントに同席して感じたのは、以下のようなこと。
親の自死で、子どもが受けた心の痛みは大きい。
いつも自分を守ってくれるはずの親が自死を選んで喜ぶ子どもは一人もいない。
遺された子どもが悲しみを言葉にできるようになるには時間もかかる。
時間が経てど、涙なしでは語れない傷が今もまだある。
「自死」自体をタブー視して事実を隠したがる人たちが今もまだ多い。
 どの「自分史」を聞いていても、それぞれの家庭の事情で親が自死を選んでしまったことがわかるが、その経験を他者と共有することが難しい。多くの参加者が誰にも相談できなかったという。そんな参加者が自分の悲しみを超えて、親の世代の自殺を予防できたらと考えている。彼らにしか発せないメッセージがある。その結論の部分は、また次回に報告したい。


YES for Lifeの現場に立ち会って感じたこと

 今回は1番最初に議論された、マスコミ、日本財団の取材(顔を出して良いのか、名前を出して良いのかなど)について。そこで出たのは、多くの取材において発言の一部しかメディアで紹介されないことに対する苛立ちと、映像取材であれば何気ない一言まですべてが紹介されてしまうことの怖さ。特に活字のメディアでは、最近では記事掲載の際の文字サイズが大きくなり、いよいよ要点しか伝えられない時代になってる。そんな中、「親を自殺で亡くしてしまった」という事実に関わる一部の人のコメントしか取り上げなければ、そうでない立場の人が非難されてしまうような結果になりかねない。
一方、映像の取材であれば、本人が何気なく言ってしまった一言が放映されてしまうことで、違う立場にいる人を傷つけてしまうこともある。どちらにしても、すべての立場について触れないと、どうしても内容が偏って伝わってしまうということだ。だからこそ、主催のLive Onは、終日自分の体験を語り合う2日目の取材については、一時的な取材は受け入れなかった。
しかし、メディアが自殺予防のための今回のイベントの意味と重要性を理解し多くの人に伝えようとする場合、イベント全部に出席するのが難しいケースも当然ある。これもまたメディア側の真実である。Live onのメンバーにとっては、今後、社会にメッセージを発していく際、どのようにメディアの協力を得ていくのかも1つの課題である。

休憩時間にくつろぐ場面
休憩時間にくつろぐ場面
Live on 代表の尾角 光美(おかくてるみ)さん
Live on 代表の尾角 光美(おかくてるみ)さん