
「みんなで買い物に出かけたり、外食をしたりするんですよ」
明るい笑顔で語るのは、、小規模多機能型居宅介護「三丁目の花や」の平野頼子さん。
130万人都市福岡で6か所——小規模多機能型施設の数。
現在、福岡市西区で唯一のこの施設を21名の高齢者が利用している。2006年4月の開所以降、受け入れた高齢者の数は合計36名。中には、馴染みのある地域のでの暮らしの中で施設に通いながら、老衰で亡くなった人もいる。「三丁目の花や」の2階には、訪問看護ステーションはなの事務所もあり、介護スタッフを医療面でバックアップできるのも強みとなっている。
「自宅で最期まで過ごしたいという高齢者のために、何ができるのか」そう思った平野さんは、2006年4月訪問看護ステーションはなと同年5月に小規模多機能施設「三丁目の花や」を立ち上げた。ここではスタッフが24時間365日体制で、高齢者とその家族の生活をサポートする。高齢者本人が昼間に来所して他の高齢者やスタッフと交流し、夜はスタッフが自宅に向かい排泄介助を行う・・すべての支援を1つのサポートセンターで対応しているのが特長だ。また、家族が介護している場合、夜の都合が悪くて世話ができないような時があっても、「三丁目の花や」のいつものスタッフが駆け付けてサポートする。そんな地域密着型の施設だから、高齢者自身にとってもその家族にとっても利便性が高い。



「三丁目の花や」に集った人々は、思い思いの午前中を過ごす。昼食前に口腔機能訓練を行い、食事を皆で取る。午後には、ある人はテレビを見て、ある人は習字を若いスタッフに教えている。その他、編み物や貼り絵、裁縫、おしゃれをして皆で買い物に出かけたり、外食をしたり。当然、おしゃべりな人もいれば、寡黙な人も。もし徘徊癖のある人がいれば、スタッフはそれを叱るのではなく後ろを付いて歩く。いろんな人々との交流が刺激になって脳が活性化され、要介護度が改善された人もいるという。
平野さんは「高齢者は病院や施設で、他人の世話を受けなくてはならなくなった時、辛い気持ちになる方が多いように感じる。病気による身体的苦痛よりも精神的苦痛の方が耐え難いのでは」と考えている。インタビューの間中、平野さんは充実した毎日の活動を振り返りながら、温かな笑みを浮かべた。全国に在宅ホスピスが広く普及するよう、平野さんは在宅ホスピスボランティア養成講座(福岡県から受託)を開催するほか、訪問看護師養成研修の講師としても忙しい日々を送っている。
