夢の貯金箱では、皆様から頂いた寄付を理不尽な犯罪で奪われ、傷つけられた命のために使わせて頂いております。定期的に寄付先であるプロジェクトパートナーの活動状況をお知らせしています。今回は、全国被害者支援ネットワークの現状です。
この国では、殺人は1日に3.6件。強姦、強制わいせつなどの性犯罪は1時間に1件。殺人、強盗、放火、強姦などの凶悪犯罪は実に3分に1件の頻度で発生しています。平成20年度の凶悪犯の認知件数は、8,581件。数字の上でだけみても、被害者やご遺族はその何倍もいます。
全国被害者支援ネットワークでは、犯罪被害者やご遺族に対する支援サービスを実施しています。それまで普通の生活をしていた人々は、事件・事故直後から生活が一変します。
例えば、家族を殺された場合、突然の肉親の死の衝撃の中、警察、マスコミ対応、病院や役所の手続きなど、全く予測もつかないことが連続します。また、ご家族の命を奪ったものが犯罪であるという事実は、何よりもご遺族に深い悲しみを与えます。
私たちは、縦割り行政ではまかなえない被害者支援を民間として、長期に継続して実施をしています。しかし、財政状況が大変厳しく、残念ながら被害者のニーズに必ずしも100%応えられていない状況があります。
その一つに、犯罪被害者・ご遺族に対する経済的な支援があります。犯罪被害者は事件・事故により経済的、精神的に困窮状態におちいります。たとえば、葬儀の手配に100,000円、遺体の搬送に30,000円要します(最低金額)。また、強姦などの性被害などにあった場合には、直後に緊急避妊30,000円、エイズなどの感染症検査費に10,000円が緊急に必要となります。
そこで、皆様のご寄付をいただき「被害者緊急支援金」を造り、2009年9月14日に活動を開始しました。
約500万円の原資で、犯罪被害を起因として経済的困窮に陥った被害者やご遺族の方々へ、おひとり3万円を上限に給付をすることになりました。
非常に少ない額に思えるかもしれませんが、それほどに追い詰められた被害者が多いという現実があります。安定した生活費を継続的に支給する役目は本来、生活保護や国による給付金にありますが、申請から受理には短くても1年という時間を要します。皆様からいただいたご寄附により、申請から実際の給付までに、手間も時間もかかるこれら公的資金の隙間を埋めていくことができます。3万円のみの支給となりますが、事件・事故により社会や人への信頼を失っている被害者やご遺族にとっては、大変な助けとなります。
2か月経ち、9人の被害者におひとり3万円ずつ、総額27万円の給付をさせていただきました。国のしくみが整備されても、心の傷を癒すのは、人の心の温かさであることを固く信じています。ご寄付をいただき、ありがとうございました。
特定非営利活動法人全国被害者支援ネットワーク 奥田 江里子