犯罪被害者やその家族は、被害直後から様々な問題に直面します。精神的なケアが必要なことは言うまでもありませんが、深く傷つき混乱した状態の中で、葬儀を行い、各種手続きをすすめる必要があります。また、警察や検察の事情聴取に呼ばれることもありますし、民事裁判の準備をするケースなどもあります。
突然の犯罪被害にあったわけですから、被害者やその家族に対しては国による支援の制度がしっかり整備されていると思うのが普通ですが、実は被害者を公的に支援する制度は非常に少なく、被害者や家族は、怒りや悲しみの中で孤立し、苦しんでいるのが現状です。
「夢の貯金箱」が支援する全国被害者支援ネットワークでは、犯罪被害者やご遺族に対し、専門的な訓練を受けたボランティアが、無料で様々な支援を行っています。電話相談や面接などによる心理的なケアはもちろん、各種手続きの補助、事件直後から家庭を訪問し、病院や裁判所、検察などへ付き添い、今困っていることへのサポートや、これからおこることの説明を行いその支援を行っています。また、犯罪被害にあった方同士が苦しい胸のうちをわかちあえる自助グループの開催なども実施しています。
突然の被害に悲しみ、戸惑っている被害者やご家族から非常に頼りにされている民間の非営利団体で、各都道府県に支部を持っています。


全国被害者支援ネットワーク加盟の各支援センターでは、専門的な訓練を受けたボランティアが支援を行っていますが、事務所の運営や、周知活動、支援に係る旅費など活動経費は必要です。この活動経費は、賛同してくださった会員からの会費や、寄付金などをベースとしていますが、支援センターの財政状況は大変厳しく、残念ながら被害者のニーズに必ずしも100%応えられていない状況があります。
その一つに、犯罪被害者・ご遺族に対する経済的な支援があります。被害者は一家の大黒柱を失う、仕事ができなくなるなど、経済的にも困窮する場合が多く、当座のお金にも困ることが少なくありません。たとえば、葬儀の手配に100,000円、遺体の搬送にも30,000円を要します(最低金額)。また、強姦などの性被害などにあった場合には、直後に緊急避妊30,000円、エイズなどの感染症検査費に10,000円が緊急に必要となります。
こういった犯罪被害者に対する緊急資金の支援のニーズは非常に高かったのですが、これまで財政的な問題から被害者に経済的ニーズにこたえることができませんでした。
そこで、「夢の貯金箱」に寄せられたご寄付により「被害者緊急支援金」を造成し、犯罪被害を起因として経済的困窮に陥った被害者やご遺族の方々へ、おひとり3万円を上限に給付をすることになりました。
非常に少ない額に思えるかもしれませんが、それほどに追い詰められた被害者が多いという現実があります。犯罪の被害者に対し安定した生活費を継続的に支給する役目は本来、生活保護や国による給付金にありますが、申請から受理には短くても1年という時間を要します。皆様からいただいたご寄附により、申請から実際の給付までに、手間も時間もかかるこれら公的資金の隙間を埋めていくことができます。3万円のみの支給となりますが、事件・事故により社会や人への信頼を失っている被害者やご遺族にとっては、大変な助けとなります。
「被害者緊急支援金」の基金の当面の目標金額は1千万円、最終的には5000万円の基金にすることを目標に、皆様からのご寄付の一部と、贖罪寄付の全額を基金に積み立てさせていただいております。皆様の支援をお願いいたします。

平成19年度の凶悪犯(殺人、強盗、放火、強姦)の総数は9,051件。無差別殺人など理由のない犯行も多く、いつ犯罪に巻き込まれてもおかしくない社会に私たちは暮らしています。また、飲酒運転やひき逃げなど悪質な交通犯罪による死者や後遺障害者もあとを絶ちません。
「理不尽な犯罪にあってしまったとき、国や法律が手厚く被害者や遺族を支援してくれる」多くの人がそう思っていますが、被害者や遺族が受けられる支援は驚くほど手薄だといわざるを得ません。
被害にあうと、命を奪われる、大怪我を負い後遺症に悩まされるなど、身体的な問題が発生します。家族や親しい人を失った場合、精神的な問題は甚大であることはいうまでもありませんが、追い討ちをかけてマスコミの取材や報道、捜査や公判でのストレスなどによりPTSDを発症するなど2次被害も大きな問題です。
経済的には、一家の生計者が殺人や傷害事件にあい、収入が途絶えた場合でも生活の保障は一切ありません。生活費はもちろん、怪我の治療費や、葬儀費用まで、すべて被害者が負担する必要があります。
「国」からの支援として「犯罪被害者等給付金支給法」がありますが、一時金による見舞金であり被害を充分に回復できるものでは到底ありません。
一方、加害者に対する「公的費用」は、国選弁護士への報酬支払い、拘置所や刑務所での食料費、医療費、被服費など、年間400億円もの国費が使われているといわれています。
比較すると、国による「被害者支援」はあまりに過小であり「被害者に冷たい国」と言わざるを得ません。
被害者は損害を回復するために民事裁判を起こすことができますが、多くの時間と費用がかかります。また、勝訴しても支払能力のある加害者はほとんどいないのが実態です。
これを機会に、どうか犯罪被害者やその家族がおかれている現状を知ってください。誰しも被害者になる可能性があります。法律や制度の改善はもちろん必要ですが、それだけでは被害者は救われません。そこに、「思いやり」や「失われた生命や、負った傷をわかちあう心」をもった「人」が関わることが必要だと考えています。
『人生をまっとうすることなく、人の手で暴力的に生命が断ち切られる悲劇…。
しかし、悲劇はくり返されている。残酷で許せない事件の衝撃は、月日とともに薄れ、またひとり、またひとり新たな事件で生命が奪われていく。
犠牲者は忘却の彼方に葬られ、数字というデータの中に埋没させられてしまうのだ。
彼らひとりひとりに家族があり、友人があり、未来があり、夢があり、人生があった。
彼らを想い、犯罪を憎み、「生命の重み」を再確認する契機としよう。過去を振り返り反省すれば、悲劇は減るはずだ。そうでなくてはならない。』
という思いで、プロジェクトパートナーであるいのちのミュージアムは、犯罪被害者や悪質交通犯罪等の撲滅を目的とした「命のメッセージ展」の開催や、交通犯罪被害者のノンフィクション映画
「0(ゼロ)からの風」の上映を年間で100回程度行っています。
全国で行われる生命のメッセージ展会場や刑務所、高校などで、毎回、映写機をレンタルし上映を行っていましたが、皆さまのご寄付で、300インチの投影が可能な高性能液晶プロジェクタを購入することができます。
さらに活発な上映活動で、交通事故や被害者の実情、犯罪の撲滅を少しでも多くの人にを訴えます。