「グローバル・アピール2015」宣言式典を開催日本からハンセン病への差別撤廃を訴える

日時:2015年1月27日(火)
場所:ANAインターコンチネンタルホテル(東京都港区)

日本財団は1月27日(火)、東京・ANAインターコンチネンタルホテルで「ハンセン病に対するスティグマ(社会的烙印)と差別をなくすためのグローバル・アピール」の宣言式典を開催しました。

写真:スピーチする安倍晋三首相

宣言は今回で10回目となりますが、日本で式典を開催するのは初めてです。来賓の安倍晋三首相、昭恵夫人、塩崎恭久厚生労働大臣、ラモス・ホルタ元東ティモール大統領、スリン・ピッスワン元ASEAN事務総長をはじめ、国内外の回復者や、支援活動の関係者など約260人が集まりました。また、潘基文国連事務総長、ダライ・ラマ法王からのビデオメッセージも公開されました。

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宣言文を読み上げる(左から)ジュディス・シャミアン国際看護師協会会長、安倍昭恵首相夫人、クリスティ・レーン・イバルダローサ看護師

今回は、患者に寄り添って病気と闘う看護の立場から、国際看護師協会と各国看護協会が共同発表者として出席。フィリピンのクリオンハンセン病総合病院の看護師クリスティ・レーン・イバルダローサさんと、ブラジルのハンセン病NGO、MORHANのコーディネーターのチアゴ・フローレスさんら各国の代表者が「保健医専門職の中で世界最大数を占める私たち看護職は、偏見を持つことなく人々の心身の苦しみを和らげ、すべての人に健康な生活をもたらすことに使命感を持って取り組んでいます。(中略)特にハンセン病のような誤解された病気に関する正しい知識を人々に伝えることの重要性を認識しています(後略)」と宣言文を読み上げました。(宣言文日本語訳 PDF/138KB

写真:スピーチする日本財団の笹川陽平会長

10年間にわたりグローバル・アピールの活動の先頭に立ってきた日本財団会長で世界保健機関ハンセン病制圧大使の笹川陽平は、世界の患者や回復者がいまも差別やスティグマに苦しむ状況について説明した上で、 「医療面の問題が解決している日本でも、ハンセン病にまつわる問題は多く残っています。日本の皆さま、特に若い世代の方々に問題意識を持っていただき、長い歴史の中に埋もれてきた出来事が持つ深い意味について考える機会になることを願っています。(中略)ハンセン病の歴史を風化させることなく、その歴史から学び、新しい未来を切り開き、次世代につなげていけるよう、皆さまと手を携えていきたいと思います」と述べました。

来賓の安倍首相は、日本の過去の隔離政策が患者や回復者の人権を制限し、差別や偏見を助長した経緯について述べ「われわれは歴史を反省し、約20年前に大きな政策転換を行い、元患者の方々に謝罪、補償を行い、名誉を回復するための取り組みを行っています。また、現在も療養所で暮らす1700人を超える回復者のみなさまが、安心して穏やかに暮らしていけるように努め、差別と偏見の解消に取り組んでいきます」と政府としての決意を表明しました。

写真:「グローバル・アピール2015」宣言式典の様子

式典に先立つ1月25日(日)の「世界ハンセン病の日」には、都内6カ所でハンセン病差別撤廃メッセージ撮影会街頭キャンペーンを開催。新たに265件のメッセージが寄せられました。ハンセン病に対する正しい理解を促進するためのサイドイベントは、全国各地で3月8日まで開催予定です。

日本財団の「ハンセン病に対するスティグマ(社会的烙印)と差別をなくすためのグローバル・アピール」の取り組みについては、以下の記事もあわせてご覧ください。

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