パラオに対する日米豪の官民関係者によるさらなる緊密な連携について合意パラオ共和国における海上保安能力の強化および環境配慮型ツーリズム推進のための官民国際会議

日本財団は、パラオ共和国政府、笹川平和財団(以下、SPF)とともに、2月26日、パラオ共和国コロール州にて「パラオ共和国における海上保安能力の強化および環境配慮型ツーリズム推進のための官民国際会議」を開催致しました。

日本財団は、2008年以降、日米豪政府および笹川平和財団・日本海難防止協会の協力体制の下、ミクロネシア3国(パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国)に対し、小型パトロール艇の贈呈や通信設備など海上保安能力を強化するための支援を行ってきました。特に、パラオ共和国とは2015年2月に「海上保安能力」、「環境配慮型ツーリズム」、「環境保護」を3つの柱とする「21世紀における日本-パラオ海洋アライアンスに向けた覚書」(MOU)を締結し、重点的な支援を行っています。

本会議には、パラオ共和国を含む太平洋島嶼国や日米豪3カ国の政府関係者、国際機関の関係者など約60人が出席し、日本財団とSPFが行う協力プログラムに対する日米豪政府との協力・連携可能な分野で議論がなされました。式の冒頭、日本財団会長・笹川陽平より、「パートナーである日米豪政府には専門性を活かした多方面からの貢献をお願いしたい。そして、各国政府や関係者が協力しあうパラオでの取り組みがモデルケースとなって、他の太平洋島嶼国の発展に貢献して欲しい。」という発言がありました。続いて、パラオ共和国のトミー・レメンゲサウ大統領が「日本財団とSPFの支援は、パラオのニーズを踏まえて行われているものであり、このような取組みができることこそがまさに友情である。」と挨拶をされ、その後、パラオ政府と日米豪3カ国の政府機関、日本財団とSPFが中心となって、パラオの海上保安能力強化に向けたさらなる協力プログラムの構築や環境配慮型ツーリズム・環境保護の支援体制について議論が交わされました。

海上保安分野では、40m級中型巡視船と係留施設、パラオ海上法令執行部の格上げに伴う合同庁舎の建設、乗組員の人材育成等のプログラムが日本財団から支援される予定であること、また、米豪から海上保安分野の人材育成面をはじめとした多分野からの協力が本会議で合意されました。
環境配慮型ツーリズム・環境保護の支援分野では、SPFがパラオへの観光客の大規模な流入によって観光資源にどのような影響を与えているかを把握するため調査や人材の育成を行うことが発表され、パラオ政府から賛同を受けました。

パラオは2015年10月、マリンサンクチュアリを設定する法案を可決し、世界で6番目に広い500,000平方キロの海洋保護区域の設定を目指しています。しかしながら、広大な海域を管理する能力の不足など具現化するための課題が山積みとなっています。さらに、マリンサンクチュアリを設定した場合、これまで貴重な収入源となっている漁業収入を失うこととなる一方、海洋観光の推進などの経済的な代替え手段の確保がされていないという課題を抱えています。

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