New Day基金プロジェクト

東北の歴史や文化、人々が大切にしてきたものを継承し、新たな価値観を生み出すため、チャリティオークションの売上金をもとに設置されたNew Day基金を活用します。

東北から新しい日本をはじめるために

2011年3月、東北地方を襲った大地震と津波、 そしてこれらの自然災害がもたらした原発事故や風評被害等は、これまで日本を支えていた「社会構造」の限界を我々日本人に知らしめることになりました。その社会構造とは、「中央とその周辺部との関係性」、言い換えれば「東京と地方が相互に依存した関係性」です。

人、食糧、エネルギー…。 古くは明治以降の富国強兵期から昭和の戦後復興、経済成長期に至るまで、「中央」で富を生み出しては集中させるために、その「周辺部」はあらゆるものの供給源となり、 かつ富の再配分を受け取ることによって、我々の社会は成り立っていました。この効率のよい「東京と地方が相互に依存した関係性」は、長年にわたり、最近まで成功したモデルでした。

そこに今回の災害が起きました。被災した地方を支援、復興させることを旗印に、やはり従来通りに「東京」が政策と予算を決め、 それを「地方」があてにしています。 国全体が歴史的なダメージを受けたのにも関わらず、何も構造は変わっていません。「被災地」と呼ばれる地方は、果たして従来のやり方のままに進められているものごとを本当に望んで受け入れているのでしょうか。

一方で、 超高齢化、少子化、政府・行政部門の深刻な財政危機は進むことはあっても止まる気配はありません。つまり我々は、これまでとは全く違う環境にいるのです。社会構造に影響をおよぼす環境が変化している以上、従来のやり方がもはや通用しないことは、誰しもがうすうす分かっています。そろそろ、これまでの「中央とその周辺部との関係性」という歴史的な社会構造を転換し、断ち切る時がきているのではないでしょうか。

「東北から新しい日本をはじめる」

 私たちは、東北地域の歴史や文化、 人々が大切にしてきたものを、自律的に次代へ継承し、新たな価値と結びつけていくことで、東北発の“New Day ”を日本に創造します。

New Day基金を活かして

New Day基金とは、アート企業カイカイキキが、2011年11月にクリスティーズNYで東日本大震災の復興支援チャリティオークション「New Day – Artists for Japan(PDF/1.9MB)」を開催し、その売上金からご寄付いただいた約3億4000万円を基に設けられた基金です。日本財団に寄付された金額は売上金の半分に相当し、あとの半分も被災者の救援活動に取り組む2つの国際団体に寄付されました。オークションには、被災者支援に賛同した世界に名だたる15名のアーティストが作品を無償で提供してくれました。New Day 基金は、東北の地に自立と主体を取り戻すため、未来へ続く新しい空間や場の創造に向けて地元主体で進めていきます。

事業概要

■福島県猪苗代町「はじまりの美術館」

事業の目的

東日本大震災及び原発事故で被害を受けている福島県の誇りを支える新たな発信拠点として、地域と協働したアール・ブリュット美術館(はじまりの美術館)を開館し、「誰もが尊重され、安心して暮らせる社会」の実現を目指す。

事業内容

福島県猪苗代町で、アール・ブリュット美術館の整備と美術館を中心とした町のコミュニティデザインの取り組みを支援する

事業パートナー

事業開始年月

2013年3月

事業金額と助成金の割合

事業金額:95,400,000円  うち支援金額:63,500,000円

関連リンク

■宮城県女川町「女川フューチャーセンターCamass」

事業の目的

津波により市街地の7割が流失し、中心市街地が現在かさ上げ工事中の宮城県女川町において、絶対的に不足している会議・集会等のための多目的施設を整備するものである。復興まちづくりの議論・情報共有を、所属や年齢に寄らず誰もができる場所をつくることにより、行政・民間・議会・住民・よそ者の連携を推進し、まちづくりを加速させる。

事業内容

女川町駅前におけるまちづくりの拠点「フューチャーセンター」整備と運営に対して支援する。

事業パートナー

事業開始年月

2014年2月

事業金額と助成金の割合

事業金額:56,430,000円  うち支援金額:56,430,000円

■福島県郡山市「福島コトひらく」

事業の目的

福島県郡山地域において、社会貢献活動を行う若者の集う場所・活動拠点となる場所や、芸術家の育成の為の場所を整備することで、主体性を持って社会参画する若者を被災地から生み出せる土壌をつくる。

事業内容

福島県郡山市富久山町の「福島コトひらく」を若者の起業や創作活動の拠点となる施設として整備及びその運営に対して支援する。

事業パートナー

事業開始年月

2014年2月

事業金額と助成金の割合

事業金額:42,760,000円  うち支援金額:40,760,000円

■宮城県七ヶ浜町「SEA SAW」

事業の目的

七ヶ浜町では、住民の声により町の復興計画が見直された。かつて、町内外の人で賑わった沿岸エリアにかつての賑わいを取り戻すための、町民・情報の集積する拠点を整備する。

事業内容

宮城県七ヶ浜町菖蒲田浜地域に復興の拠点としてのカフェ、物販、レンタルスペースとして利用するための施設の整備及びその運営に対して支援する。

事業パートナー

事業開始年月

2014年11月

事業金額と助成金の割合

事業金額:41,600,000円  うち支援金額:41,600,000円

■福島県二本松市 生産者と首都圏をつなぐ交流拠点

事業の目的

都市と農村の新しい関係をつくり、東日本大震災によって大打撃を受けた福島県の農業を中心とした社会構造の復興、避難者のコミュニティ再形成の礎となる拠点の整備。

事業内容

福島県二本松市につくる生産者と首都圏をつなぐための交流拠点の整備を支援する。

事業パートナー

特定非営利活動法人福島県有機農業ネットワーク

事業開始年月

2014年12月

事業金額と助成金の割合

事業金額:5,712,447円  うち支援金額:5,712,447円

■福島県福島市「CHANNEL SQUARE」

事業の目的

屋内スポーツ施設も備えた総合コミュニティスペース。被災者間の交流や、復興のために活動する団体の活動拠点としての利用を促し、被災者自らによる復興の加速を目指す。

事業内容

福島県福島市に大人も子どもも利用できる屋内スポーツ場や福島の郷土料理等を提供するスペース等を併設した新しいコミュニティスペースの整備に対して支援する。

事業パートナー

一般社団法人F-WORLD

事業開始年月

2014年11月

事業金額と助成金の割合

事業金額:58,000,000円  うち支援金額:48,320,000円

■福島県南相馬市「小高パイオニアヴィレッジ」

事業の目的

新しい価値観や新しい発想をもとに大胆にチャレンジをしていくリーダーを育てるための交流拠点を設置し地域コミュニティの再生と復興の加速化を目指す。

事業内容

福島県南相馬市小高地区に地域の復興を推進し地域コミュニティの再生と持続的な発展を担う人材が流入するための、コワーキングスペースやゲストハウスを備えた交流拠点の整備に対して支援する。

事業パートナー

一般社団法人パイオニズム

事業開始年月

2017年11月

事業金額と助成金の割合

事業金額:80,000,000円  うち支援金額:60,617,839円

関連リンク

お問い合わせ

日本財団 コールセンター

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  • FAX:03-6229-5110
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