平成30年7月豪雨災害の現場から
みんなのいのち

日本財団HEROsのアスリート17名が広島県坂町に集結(2)呉市での視察と仮設住宅でのふれあい


平成30年7月豪雨で被害の大きかった呉市を日本財団HEROsプロジェクトのアスリートたちが訪問し、被害状況の視察や被災者との交流をしました。現地を訪問して自らの目で見たことで感じるものがあったようです。

2018.11.21

呉市の被災地域でのヒアリング

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真剣な面持ちで水害の状況を聞く中田英寿さん

広島県坂町の坂中学校でスポーツ交流を行ったアスリート13人とは別に、東俊介さん、長嶋万記さん、中田英寿さん、森下愛梨さんの4人は同じく多大な被害を受けた呉市の被害状況を徒歩で視察し、NPO・ボランティアの活動の必要性や今後の支援内容などについて詳しくヒアリングしました。視察中に出会った被災者は、アスリートたちの突然の訪問に喜び、楽しい交流が生まれました。

4人は、日本財団の支援を受けて現地で活動している団体、コミサポひろしま代表の小玉幸浩さんに豪雨で被災した家屋の多い地域を案内してもらい、説明に聞き入っていました。また、地元の方の体験談にも熱心に耳を傾けていました。

コミサポひろしまは、2014年の「広島豪雨土砂災害」を契機に発足した団体で、今回も災害発生直後から広島県呉市天応地区を中心に支援活動を行っています。視察の後にはアスリートたちと昼食を共にする場面も見られました。

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呉市で支援活動を続けるコミサポひろしま代表の小玉さん(写真手前)から説明を受ける中田英寿さん(写真右から3人目)
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コミサポひろしまの皆さんと共に昼食を取る、(写真左から3人目より)東俊介さん、長嶋万記さん、森下愛梨さん

仮設住宅でプランター作りと餅つき

坂中学校と呉市に分かれていたアスリート16人は合流して、広島湾沿いの平成ヶ浜中央公園に設営された仮設住宅を訪問しました。坂町でスポーツ交流をした中学生たちや、近隣の広島翔洋高校からのボランティアも加わり、仮設住宅の住民の皆さんとプランター作りと餅つきを行いました。

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仮設住宅の住民たちとプランター作りをする井上康生さん(写真中央)
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中学生たちと餅つきをする森下愛梨さん(写真中央)

スポーツ交流で一緒に汗をかき、仲良くなったアスリートと中高生ボランティアの皆さんは、協力してお餅をついたり、丸めたりと、住民との人たちとの会話も弾んでいました。会場内にはあちらこちらから記念撮影の歓声が響き、いつもは静かな仮設住宅団地が賑わいでいました。

催しに参加した仮設住宅に住む70代の女性は「(プランター作りを)自分でやろうと思ったのですが、井上康生さんが全部やってくれました。皆さんたくましくて、とても元気が出ます」といい、80代女性は「うれしいです。普段、あんまり人にも会いませんからね。外に出て歩かないから。こういう時に皆さんにお会いして、うれしいですね」と感謝の思いを語りました。

日本財団HEROsアンバサダーが継続的な支援を約束

HEROsアンバサダー(※)5人とHEROs AWARD 2017 HEROs of the yearの鳥谷さんは、活動を通じて感じたことや交流を継続することなどを語ってくれました。

現地を訪れて感じたこと

井上康生さん「被災者の皆さんは大変な思いだろうと思って来たが、今日お会いした皆さんが未来を見据えて、明るく元気に、前を向いて生きている姿を見て、私自身が勇気をもらった。これからも大変な現実と戦っていかなければならないと思うが、明るい未来を切り開いて欲しい。自分自身ができることは全力で取り組んでいきたい」

中田英寿さん「まずは現地に来て現場を見られたのが良かった。今までの活動は自分ひとりでやることが多かったが、色んな(アスリートの)仲間と来られたことで、ひとりだけではない力を現場で感じられ、この先のHEROsの活動が大きくなりそうだなと実感できた。僕たちにできること、行政にできることは違う。僕たちは人を集める力や注目を集める力があると思う。それぞれが、一過性でなくてここからどれだけ寄り添っていけるかということが大事だと思う」

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呉市で支援活動をする皆さんとアスリートたち

上原大祐さん「東北の被災地支援に取り組んだ際も、実際に現場に来ることで自分が出来ることがわかったので、実際に来るということが重要。今後もHEROsのチームとして1回で終わるのではなく、継続的にできることを見つけてやっていきたい」

長嶋万記さん「ボートレースファンの方に呼びかけて募金活動を行ってきた。今回初めて被災地を目にして、言葉にならなかった。実際に来て見て、もっともっとやれることがあると思った。皆さん、一歩一歩あゆんでいって欲しいと強く思った。昨年できたばかりのHEROsだが、ここから活動を続けていくことで、どんどん支援の輪を日本中に広げたいと思う」

東俊介さん「現場を歩いてみて、メディアを通じて見る姿より、非常に被害が大きいというのと、まだまだ復旧に至っていないということが分かった。HEROsはアスリートならではの活動を心がけてきたが、被災地の人と触れ合って、笑顔を作ることができたと思う。これからまだまだ先は長いが、それに立ち向かっていく元気を持ってくれたらと嬉しい。また来たいと思う」

鳥谷敬さん「報道で見た以上の被害状況の家などを実際見ることができた。子どもたちや被災された方と色んなコミュニケーションを取ることで、彼らの笑顔が見れたり、餅つきを一緒にしたりと、貴重な経験になった。HEROsの活動も積極的にやっていきたいと思う」

被災地の皆さんへのメッセージ

井上さん「起きたこと、今の現実、未来を切り開く中で、前を向いて生きることの大事さは、スポーツを通じて感じている。多くの人たちが力を合わせれば、力が大きくなると思う」

中田さん「重要なことは(このような活動に)いかに集まれる仲間を増やしていけるか、ということ。何が起こるかは誰にも分からないから、僕たちは準備をしておく、ということ。それが、誰かのためになるということもある。自分たちが楽しめる環境、仲間を見つけるということが一番大事だと思う」

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Tシャツにサインをする上原大祐さん(写真中央)

上原さん「パラリンピアンとして、応援してもらう人を増やすには、友だちを増やすのが1番、と思いながら色々と活動をしている。今日は高校生の友だちができて、彼らからサインをもらった。またこの友だちに会いに来ようと思う」

長嶋さん「被災当時の状況やその時の恐さなど当時の心境を色々聞いた。今がすごく精神的にさびしいという思いを強く感じた。でも『一人じゃない』という気持ちを持ち続けて欲しい。今日、子どもたちとは恋愛の話などもざっくばらんにした。HEROs Tシャツをもらってすごく喜んでくれたこの子どもたちが、将来、また活動に加わってくれればと思う」

東さん「皆さんと色々と話した。ふとしたときに『私は家が流されとるじゃけん・・・』と話す子もいて、笑顔の裏にもつらい思いをしているんだなと思った。過去は変えられないが、楽しい今を作ることはできる。自分でもできることはあるんだと思った」

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中学生と記念撮影する、(写真後列左から)長島万記さん、荒井DAZE善正さん、東俊介さん、曽田雄志さん

鳥谷さん「元の姿に戻るのは時間がかかると思う。スポーツ選手として、『スポーツの力』でみんなを元気にしたいと思って活動に参加している。これからも被災者を孤独にするのではなく、みんなが注目して、力を合わせて前に進むということが大事だと思う」

これから寒い冬を迎える被災地。時間の経過とともに復興が進む一方で、被災者の抱える課題が長期化したり見えづらくなったりします。今後も日本財団はHEROsアンバサダーの皆さんとも連携しながら支援を継続していきます。

日本財団HEROsプロジェクトについて詳しくは、「HEROs Sportsmanship for the future」をご覧ください。

  • HEROs アンバサダーとは
    積極的に「HEROs」プロジェクトを推進し、新たな「HEROs」を生み出していく役割を担います。これまでの競技生活を応援してくれた社会に対して、今度は自身の活動で社会に還元したいという熱い想いを持つアスリート(現役・引退問わず)を招集し、彼らの社会貢献活動を通じてその想いとメッセージを発信することで「HEROs」の輪を広げます。

参加したアスリートの皆さん

1.日本財団HEROsアンバサダー

東 俊介さん(ハンドボール)
池田 信太郎さん(バドミントン )
井上 康生さん(柔道)
上原 大祐さん(パラアイスホッケー)
中田 英寿さん(サッカー)
長嶋 万記さん(ボートレース)

2.HEROs AWARD 2017 WINNER

鳥谷 敬さん(野球)

3.賛同者

荒井 DAZE善正さん(スノーボード)
今村 佳太さん(バスケットボール)
大竹 七未さん(サッカー)
佐藤 卓磨さん(バスケットボール)
曽田 雄志さん(サッカー)
永吉 佑也さん(バスケットボール)
橋本 拓哉さん(バスケットボール)
松原 良香さん(サッカー)
森下 愛梨さん(ボートレース)
吉田 優也さん(柔道)