インド全国ハンセン病会議

インド・ニューデリー

はじめに、この会議を主催されたクマール博士、アリフ博士、そして組織委員会にお祝い申し上げます。この会議は、私たちの共通の目標である「Leprosy Free India」を達成するため、私たちの決意を新たにする重要な場です。

この国のハンセン病の歴史を紐解くと、国父であるマハトマ・ガンジーが、この病気をなくすことを夢見て力を尽くされたことにさかのぼります。その大きな責任は現在、私たちに受け継がれています。

世界保健総会(World Health Assembly: WHA)において、公衆衛生上のハンセン病の制圧目標が決定されたのは1991年のことでした。それは、罹患率を人口1万人に1人未満にするというものでした。そして、各国がこの制圧目標の達成を目指すこととなりました。

当時、インドではこの制圧目標の達成を可能と考える人はほとんどいませんでした。なぜなら、それほどインドには多くのハンセン病患者がいたからです。

しかし、その予想に大きく反し、保健省を中心としたインドの関係者による尽力の結果、2005年末にハンセン病の制圧が達成されました。

これは奇跡的なことだと国際社会からインドが賞賛を浴びたときのことを、私ははっきりと覚えています。

しかし今なお、インドは世界の中でも最もハンセン病患者数が多く、新規患者数の6割以上がインドから発見されていることも事実です。医療面、社会面の両面において、いまだに乗り越えなければならない課題があります。

インド政府は、これらの課題を重く受け止め、早期発見・早期治療のための全国的な活動を展開しています。これは非常に重要な取り組みです。

インドが2005年に成し遂げた国家レベルでの制圧はマイルストーンにすぎません。この病気とそれに伴う困難によって苦しむ人がいなくなるように「Leprosy Free India」を目指すことが最終的な目標です。この意欲的な取り組みがインドで始まったことに心から敬意を表します。

私は、この会議が全ての関係者、つまり政府、国際NGO、国内NGO、研究者、そして何よりハンセン病回復者が集まり、目標に向かって、それぞれの決意を再確認し、最も効果的な活動計画について議論する機会であると考えています。

私自身もこのゴールに向けてさらに活動を強化することを約束します。

この機会に、私自身が担う役割と決意についてもう少しお話させていただきます。

私は、世界保健機関(WHO)ハンセン病制圧大使として、また日本財団の会長として、ハンセン病にまつわるスティグマの撤廃に向けた啓発に活動の重きをおいてまいりました。

日本財団は、2006年から毎年、ハンセン病患者、回復者に対するスティグマと差別撤廃のためのグローバル・アピールを、世界的に影響力のある個人や団体の方々と共に発信しています。

来年2018年のグローバル・アピールは、ここニューデリーで世界ハンセン病の日である1月30日に、障害者インターナショナルと共に発信します。本日ご参加のすべての皆さまを、ぜひお招きしたいと思います。

最後に、本日の会議の成功を祈念します。さあ、共に行動しましょう!