ハンセン病と障害インド全国会議

インド・ニューデリー

障害者インターナショナル(Disabled Peoples’ International:DPI)と日本財団は、誰もが権利を持ち、参画できる社会の実現を目指すという共通の目標を掲げています。

午前中のグローバル・アピールの式典で宣言されたように、DPIと日本財団はこれから、パートナーシップを組んでまいります。共通の最終目標への誓いをもとに、私たちはハンセン病の患者、回復者に対する差別撤廃のために努力し、連携することに合意しました。

皆さまもご存知の通り、アビディさんは、世界の障害者の権利を強く主唱されています。ゴパールさんも、ハンセン病回復者の権利を主唱する活動家であり、真の闘士です。彼らの協力を得て、私たちの共通の目標に向けた新たな機運が高まると私は確信しています。

日本財団は長年に亘り、ハンセン病の制圧活動に注力してきました。私は、世界中のハンセン病コロニーを訪問するうちに、ハンセン病に関わる差別の問題を解決することは、私たちが取り組むべき重要な課題であると考えるようになりました。

差別は人権侵害に他ならないということに世界の注目を集めるべく、私たちが国連にアプローチするようになったのは、15年前のことでした。

そして2010年、ハンセン病患者、回復者とその家族に対する差別撤廃のための決議と、それに付随する「原則とガイドライン」が国連総会で全会一致で採択されました。

この「原則とガイドライン」には、差別法の撤廃に加え、ハンセン病患者、回復者が享受すべき人権について明記されています。

この決議が採択されて以来、私はコロニーを訪れるたびに、ハンセン病患者、回復者の人権は、国連と各国政府によって保障されていることを伝えています。なかには人権とは何なのかを理解していない方もいました。そのような場合には、私は「原則とガイドライン」の中に彼らの人権が謳われていることを説明し、自信を持って主張する権利があることを伝えるようにしています。

いまや、コロニーには、自ら主張できるリーダーたちが出てきました。変化は、確実に起こっています。コロニーのリーダーたちは、州政府に対し直接交渉し、それが特別支援金の増額や、医療や教育への平等なアクセスの向上につながっています。私はその変化を頼もしく感じています。

本日、ご参加くださっている政府、NGO、国際機関など多くのセクターの代表の皆さまが、彼らの目標を実現しようと協力をしてくださっています。私は、この進展を大いに歓迎したいと思います。

障害者運動においても、2006年に障害者権利条約が国連総会で採択されており、全ての障害者コミュニティでは、この条約で謳われている原則の実現に向けた努力がなされています。

しかし実際のところ、この条約や決議が国連で採択されたとしても、それだけで問題の解決にはつながりません。

私たち一人ひとりがそこに謳われていることを理解し、行動しなければ、困難に直面している人々の生活を変えることはできないのです。

今後3年間、DPIと日本財団は共同事業を通じて、ハンセン病に対する差別を撤廃するために、ハンセン病回復者と障害者のコミュニティの連携を促進させます。今朝発信されたグローバル・アピールはそのための第一歩です。

本日この場には、インド、ブラジル、インドネシア、ミャンマー、バングラデシュから、ハンセン病回復者と障害者のコミュニティの代表が参加しています。

私たちの共通の目標を実現するために、本会議を、ハンセン病回復者と障害者が手を取り合い、一致団結し、協力する場としていきましょう。