【寄付者の声】B.LEAGUEファンの想いを被災地の新しいHopeに

画像:選手自らが募金を集める様子(©レバンガ北海道)

令和6年1月1日に発災した能登半島地震への対応として、日本財団は1月2日から現地入りし、現在も被災地の支援を継続しています。これらの活動には、「被災地の力になりたい」という多くの個人・団体の皆さまからお預かりしたご寄付を活用させていただいています。

今回、日本財団の活動の大きな支えになっているのが、B.LEAGUE及びB1~B3に所属する全国各地のクラブの皆さんが募金活動を通じて寄せてくださったご寄付です。

発災後、迅速に被災地支援を決定し、強い連帯により大きな支援の力をくださっているB.LEAGUE。B.LEAGUEを運営する公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグの執行役員の櫻井うららさんとSR推進グループの井坂万里さんにお話を伺いました。

発災翌日に全国56クラブに被災地支援への要請を通知

能登半島地震の発災が1月1日の午後4時頃。B.LEAGUEには年末年始に興行するチームも少なくないため、発災時、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ内には役員を含め勤務中の社員もいたそうです。

執行役員の櫻井さんもそのうちの1人。発災後間もなく、チェアマンの島田慎二さんと櫻井さん等の役員は緊急会議を行い、B.LEAGUEとして被災地のために何ができるのか協議。その後、全クラブにメールにてB.LEAGUEの方針を通達しました。

櫻井さんがメールを送信したのは1月2日。発災の翌日でした。

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公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ 執行役員 櫻井うららさん

「直接被災したクラブもありましたし、各クラブが被災地のために何かしたいと考えていることは予想できました。しかし、各クラブがそれぞれ直接問い合わせをしたら混乱を招いてしまうかもしれません。

そこで、私たちが各クラブと連携して統制をとらなくてはならないだろうと考えました。『年始からホームゲームは開催されているので募金活動はできる』と、自分たちにできることを考え、対応の方針を全クラブに一斉送信しました」(櫻井さん)

募金箱の設置、対応人数の確保、選手稼働の調整など募金活動を行うにあたって想定される業務は少なくありません。少しでもスピーディに準備できればと、会場アナウンスやリリース等、広報対応のたたき台となるフォーマットなどを提供したことも奏功し、各クラブからは次々と募金活動への参加の手が上がりました。早かったクラブは1月5日から募金活動を行っていたそうです。

SR推進グループの井坂さんは、支援金の使途や活動のオペレーションなど、さまざまな問い合わせに対応する中で、各クラブの被災地支援への強い意欲を感じていたそうです。

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公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ SR推進グループ 井坂万里さん

「B1、B2、B3を合わせて56クラブのうち、ほとんどのクラブが募金活動に参加してくれました。独自の取り組みを行ったクラブもありますが、すべてのクラブで何らかの被災地支援活動を実施しています。」(井坂さん)

1月5日以降、多くのクラブが試合会場への募金箱を設置したほか、試合前後には選手の皆さんも「よろしくお願いします」と一緒になって募金を呼びかけてくださいました。

選手自らが募金を集める様子(©京都ハンナリーズ)
©︎KYOTO HANNARYZ

「募金活動をしようと決めた時点で、日本財団さんに寄付することはもう決めていました。過去の豪雨災害の募金活動でも日本財団さんに受け入れていただいて、そのときに義援金と支援金の違いなど、さまざまなことを教えていただきました。

今回も現地の復旧・復興に即効性がありダイレクトにつながるものが良いと考え、募金活動開始の段階で日本財団さんにお預けすることを各チームにも伝えていました」(櫻井さん)

B.LEAGUEの根底にある社会貢献の文化

B.LEAGUEではSR活動を「B.LEAGUE Hope(B.Hope)」と呼び、2016年の立ち上げ当初から推進しています。今回の能登半島地震の募金活動も、B.Hopeの活動の一環です。

PEOPLE(子どもと家族支援、インクルージョン、STEAM教育)、PEACE(復興支援、街づくり、防災)、PLANET(地球環境循環型社会)の3つの領域の活動は、頭文字のPから「オフコートの3Pチャレンジ」と呼ばれ、B.LEAGUEの重要な活動として位置づけられています。

今回、B.LEAGUEの各クラブが積極的に募金活動に協力してくださった背景には、これまでに積み重ねてきたB.LEAGUE内における社会貢献の文化があります。すでにクラブも独自で能登半島地震の被災地支援を行っており、アルバルク東京や富山グラウジーズはパートナー企業に呼びかけて集めた段ボールベッド100台や段ボールパーテーション等を被災地の避難所に送っています。

「B.LEAGUEは地域密着型のプロスポーツリーグとして、プロスポーツクラブがあることで地域が良くなっていくという相乗効果を目指さなければならないと考えています。各クラブも立ち上げ当初から社会貢献への感度が非常に高く、多面的に社会貢献活動を展開しています」(井坂さん)

B.LEAGUEでは、日本財団を通じた寄付による支援のほかにも、さまざまな能登半島地震の被災者支援を検討しています。

「奥能登はとてもバスケットボールが盛んな地域です。しかし、体育館が壊れてしまい、バスケットボールができない状況が続く地域もまだあります。そういった地域の子どもたちのために、B.Hopeで何か支援ができないか検討中です。」(井坂さん)

B.LEAGUEファンの想いを、被災地の新しいHopeに

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B.LEAGUE内で募金活動を担当されたお二人。被災地支援への熱い想いを語ってくださいました。

B.LEAGUEはバスケットボールの興行を行う場であるのに加え、全国56クラブが社会貢献の意識でつながる、共助のプラットフォームとしての側面も持ちつつあります。櫻井さんは「今回の経験を今後の災害支援活動に活かしていきたい」と話します。

「もしも同じような災害が起きたときに、さらに迅速に日本財団さんと連携しながら対応できるようにしたい。今回得られたナレッジをしっかり溜めて、1つのフォーマットにしていければ、もっと早くもっと効果的にできるはずだと考えています」(櫻井さん)

最後に櫻井さんと井坂さんに、寄付に託した能登半島地震の復旧・復興への想いをお話いただきました。

「今回の震災は被災地から伝統、文化、自然などが失われかねない未曾有の災害だと思います。しかし、長い歴史の中ではさまざまな地域で、一度壊れ、また作り、また壊れ、ということが繰り返されてきました。B.LEAGUEの関係者及びファンの皆さんから募金活動を通じていただいた熱い気持ちが、被災地の新しいHopeになってくれることを信じています」(櫻井さん)

「今回の寄付金には北海道から沖縄まで、全国のB.LEAGUEファンの想いが込められています。私自身、日本中に支援の輪があることを実感いたしました。1月1日から時が経ち、徐々に震災の記憶が風化していくタイミングだと思います。だからこそ、これからも息の長い被災地支援を行っていければと考えています。能登のいち早い復興を心より願っております」(井坂さん)

全国各地に存在するB.LEAGUEのクラブ。地域のクラブに地元の方々の想いが集まり、クラブ同士が連帯することで、日本中の人々の想いが結集した大きな力になる。B.LEAGUE、そしてスポーツには、大きな可能性があるということを改めて感じます。

日本財団は、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ、B.LEAGUEの各クラブの方々、そして全国のB.LEAGUEファンの皆さまからいただいたお気持ちを大切に預かり、今後も継続的に能登半島地震の復旧・復興支援を行ってまいります。