難病の子どもと家族を支える地域連携ハブ拠点「Mom House」を愛知県に開設母子が一緒に滞在可能な産前産後ケアの多機能型施設を整備

日本財団が推進する、難病の子どもとその家族を支えるプロジェクトのもと、2022年6月18日に一般社団法人 キッズラバルカ(愛知県みよし市、代表理事 夏目 浩次)が運営する「Mom House(マムハウス)」が、愛知県で開所しました。
難病児とその家族の孤立を防ぎ、成長を支えるためには医療、福祉、教育など子どもたちに関わる機関や、子どもと家族を支える専門家とのつながりが不可欠です。それらの機関と共に、子どもの成長を見守っていくための各機関の連携拠点(地域連携ハブ拠点)設置を目指す本プロジェクトでは、全国30拠点の設立を目指しています。29拠点目となる「Mom House」では、医療的ケア児や病児の母親が一緒に滞在できる、産後ケア施設を併設しています。

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開所式の様子
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ママのための相談室

Mom House設置の背景

医療的ケア児(※)や病児を持つ母親のための産後ケア施設は全国にひとつもなく、現状、こうした「母親へのケア」は圧倒的に不足しています。医療的ケアが必要な子どもの母親は、出産後すぐに「子の看護者・ケアラー」としてケアを覚えることになり、自身のことが後回しとなり、産後の身体や心を十分に休めることができません。また、子どもが成長した後も、病児を持つ「特別な母親」として、育児の悩みや自分自身の気持ちを相談する場所が十分に整備されていないのが現状です。このような背景から、既存の母子保健・障害福祉制度ではサポートしきれない母親と子のための「居場所」と「一緒に育てる伴走者」を作りたいという思いから、Mom Houseが開所されました。

  • 医療的ケア児とは、人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引等の医療的ケアが日常的に必要な子どもを指します

Mom Houseの特色

Mom Houseは母親のための居場所であり、子育て休憩所です。医療的ケア児や病児を育てる母親、既存のコミュニティに参加しづらい、または育児に悩みを抱く母親達に対し、助産師・保健師・看護師・相談支援員などの専門家が相談に応じたり、医療的ケアの練習やお昼寝ができるスペース等を設置しています。Mom Houseは、目的がなくてもふらっと立ち寄り、母親と子どもが心と体を休めることのできる居場所を目指します。今後は、母子共に宿泊できる産後ケア支援も展開予定です。

施設概要

所在地 愛知県みよし市福谷町宮ノ前33-1
開設時間 10:00~16:00(月~金)
対象者 子育てに困難を抱える母親と家族
スタッフ 助産師2名 保健師1名 看護師2名 相談支援専門員1名交代で常駐
活動内容 訪問看護、相談支援、産後ケア、育児相談外来等
運営団体 一般社団法人 キッズラバルカ
敷地面積 455㎡(延床面積 138㎡)
設備仕様 相談室、居室、リビング、キッチン
コンセプト 「一緒に育てる」
疾患や障がいがあってもなくても、看護を必要とするすべての子どもと家族に寄り添いたい。上手くできなくても、私たちがそばにいるから大丈夫。一緒に成長を喜び、一緒に笑って泣いて、一緒に育てよう。

キッズラバルカ 代表理事 夏目 浩次より

医療はどんどん進化をし、社会もまたスピードを上げて多様化していく中で、母子の状態や育児環境もまた多様化・複雑化している現状があります。産後うつ、多胎、若年出産、貧困、親や子の障がい、医療的ケア、・・・と、様々な状態が単一的あるいは複合的に母子や育児環境を形成し、それらが起因となって、悲惨な事件やその一歩手前という状況を生んでいる実態を私たちは「地域にある現実」として目の当たりにしてきました。今やらなければならないことは、各職種や各施策・制度が、単一的に存在機能するのではなく、より横断的に機能し、より気軽にそっと傍に存在する、そんな「一緒に育てる」プラットホームが、母親や子どもたちのために、地域に、必要だと痛感しています。そんな「家」のような居場所が、地域の中に、まるでカフェのように点在していたら、きっと、苦痛や孤独や悩みを抱えながらの子育てではなく、子どもと一緒にワクワクする思い出の子育てとなり、子どもたちにとっても、明るい未来につながると信じています。社会が高度化する一方で、互いが希薄化してしまった今、私たちの「Mom House」は、「一緒に育てる」この「家」を通して、次なる未来を創るための一石となれたらと願っています

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キッズラバルカ 代表理事 夏目 浩次

「難病の子どもと家族を支えるプログラム」について

全国25万人以上といわれる難病の子どもとその家族が孤立しない地域づくりを目指し、「医療」「福祉」「教育」「フィランソロピー」の4領域について、「医療的ケアが必要な小児に対応する訪問看護研修」「ICT を活用した退院・復学支援事業」「外出が困難な子どもと家族向け相談カーによる訪問」等、毎年30以上のモデルとなる事業を全国規模で展開。当施設は、29番目の「難病の子どもと家族を支える地域連携ハブ拠点」として誕生しました。

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