日本財団18歳意識調査結果 第61回テーマ「教育」大学無償化6割が賛成 オンライン大学増設賛成も半数を超す

日本財団は1月、「教育」をテーマに61回目の18歳意識調査を実施し、義務教育での経験や国の教育支出の在り方、少子化を背景とした新たな大学再編の動きなど幅広い課題について若者の意見を聞きました。

うち国の教育支出に関しては、現在、一般歳出比で7.8%となっている初等、高等教育への公費支出を15%以上、あるいはOECD(経済協力開発機構)加盟38ヵ国の平均である10.6%以上へ増額を求める意見が全体の4割を占め、大学の無償化に関しても6割近くが賛成と答えています。

また少子化に伴う大学の新たな動きに関しては、通学不要のオンライン大学の増設、留学生受け入れの強化を求める意見が過半数、公立大学の増加を求める声が約半数に上る一方、大学の定員削減に賛成する声は4分の1弱に留まっています。

このほか義務教育で重視されていたと思うことの1位は「基礎学力を身に着けること」で約3割、もっと学んでおきたかったと思うことのトップは生きていく上で必要なお金に関する知識や能力を身に着ける「金融リテラシー」が約2割となっています。教員への信頼では「信頼していた教員は半数より少なかった」、「ほとんどいなかった」とする声が全体の4割弱、女性に限ると4割以上に上っています。

調査ではこのほか、教育支出を増やすための新たな財源確保策や大学入試の在り方などについても若者の意見を聞いており、詳しくは報告書を参照ください。

第61回「教育」結果の概要

  • 義務教育期間にもっと学んでおきたかったと思うこと:
    • 生きていくうえで必要なお金に関する知識や能力を身に着けること(金融リテラシー) 20.5%
    • 周囲の人とのコミュニケーションの仕方を身に着けること 17.7%
    • 国際社会で生きるための意識・姿勢や知識・能力を身に着けること 17.7%
      • 最大3項目まで回答
  • 教育支出に対する考え:
    • 増やすべきだ 40.9%
    • 維持すべきだ 11.3%
    • 減らすべきだ 3.6%
    • わからない 44.2%
      • 増やすべきだは「総支出の15%以上まで増やすべきだ」「総支出の10%(OECD平均)程度まで増やすべきだ」の合計

調査結果抜粋

18歳意識調査の棒グラフ。「義務教育期間に関わった教員への信頼度」の質問に回答した人の項目別割合(%)。全体(n=1,000)で「ほとんどの教員を信頼していた」と答えた人は13.6%。「半数以上の教員を信頼していた」と答えた人は28.3%。「信頼していた教員は半数より少なかった」と答えた人は22.4%。「信頼していた教員はほとんどいなかった」と答えた人は14.8%。「わからない/覚えていない」と答えた人は20.9%。男性(n=514)で「ほとんどの教員を信頼していた」と答えた人は16.5%。「半数以上の教員を信頼していた」と答えた人は31.7%。「信頼していた教員は半数より少なかった」と答えた人は17.9%。「信頼していた教員はほとんどいなかった」と答えた人は12.8%。「わからない/覚えていない」と答えた人は21.0。女性(n=486)で「ほとんどの教員を信頼していた」と答えた人は10.5%。「半数以上の教員を信頼していた」と答えた人は24.7%。「信頼していた教員は半数より少なかった」と答えた人は27.2%。「信頼していた教員はほとんどいなかった」と答えた人は16.9%。「わからない/覚えていない」と答えた人は20.8。
義務教育期間に関わった教員への信頼度
18歳意識調査の棒グラフ。「大学入試に対する考え」の質問に回答した人の項目別割合(%)。全体(n=1,000)で「学力検査を中心とした試験が望ましい」と答えた人は20.6%。「どちらかといえば学力検査を中心とした試験が望ましい」と答えた人は17.8%。「どちらかといえば総合的な評価を中心とした試験が望ましい」と答えた人は26.6%。「総合的な評価を中心とした試験が望ましい」と答えた人は13.1%。「わからない」と答えた人は21.9%。男性(n=514)で「学力検査を中心とした試験が望ましい」と答えた人は24.9%。「どちらかといえば学力検査を中心とした試験が望ましい」と答えた人は19.1%。「どちらかといえば総合的な評価を中心とした試験が望ましい」と答えた人は23.3%。「総合的な評価を中心とした試験が望ましい」と答えた人は13.6%。「わからない」と答えた人は19.1%。女性(n=486)で「学力検査を中心とした試験が望ましい」と答えた人は16.6%。「どちらかといえば学力検査を中心とした試験が望ましい」と答えた人は16.5%。「どちらかといえば総合的な評価を中心とした試験が望ましい」と答えた人は30.0%。「総合的な評価を中心とした試験が望ましい」と答えた人は12.6%。「わからない」と答えた人は24.9%。
大学入試に対する考え
18歳意識調査の棒グラフ。「教育支出に対する考え」の質問に回答した人の項目別割合(%)。全体(n=1,000)で「総支出の15%以上まで増やすべきだ」と答えた人は13.0%。「総支出の10%(OECD平均)程度まで増やすべきだ」と答えた人は27.9%。「現状の水準を維持すべきだ」と答えた人は11.3%。「現状よりも減らすべきだ」と答えた人は3.6%。「わからない」と答えた人は44.2%。男性(n=514)で「総支出の15%以上まで増やすべきだ」と答えた人は16.3%。「総支出の10%(OECD平均)程度まで増やすべきだ」と答えた人は29.2%。「現状の水準を維持すべきだ」と答えた人は12.6%。「現状よりも減らすべきだ」と答えた人は5.3%。「わからない」と答えた人は36.6%。女性(n=486)で「総支出の15%以上まで増やすべきだ」と答えた人は9.5%。「総支出の10%(OECD平均)程度まで増やすべきだ」と答えた人は26.5%。「現状の水準を維持すべきだ」と答えた人は9.9%。「現状よりも減らすべきだ」と答えた人は1.9%。「わからない」と答えた人は52.3%。
教育支出に対する考え

調査概要

第61回「教育」

調査対象 全国の17歳~19歳男女、計1,000名
実施期間 2024年1月19日(金)~1月22日(月)
調査手法 インターネット調査

18歳意識調査とは

民法の改正に伴い2022年4月には成人年齢も18歳となり、次代を担う18歳の意識を知り、記録することの重要性が高まっています。日本財団は、選挙権年齢の引下げをきっかけに、2018年10月より、18歳前後の若者の価値観、政治・選挙に対する態度、社会課題の理解などを継続的に調査してきました。

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18歳意識調査担当

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