「第3回日本財団みらいの福祉施設建築プロジェクト」表彰式ユニークなアイディアとデザインの力で福祉施設を変える!

日本財団は、デザインやクリエイティブの力で福祉施設を地域に開かれた魅力ある場所とするべく実施した、「第3回日本財団みらいの福祉施設建築プロジェクト」について、計116事業の中から助成が決定した5事業への表彰式を、2024年4月16日(火)に実施しました。
採択された5事業は、少年院から出院してきた若者(若年刑余者)の就労の拠点になる福祉施設や、地域の高齢者と大学生の交流を促す福祉施設など、個性的なアイディアやデザインの力で社会課題を解決する事業が選ばれました。

みらいの福祉施設建築プロジェクトの背景

本プロジェクトは、地域社会に貢献し、地域社会から愛され、地域福祉の拠点となる社会福祉施設をめざして、事業実施団体と設計者の協働による建築デザイン提案を含む建築事業を助成するものです。
近年、少子高齢化や多様性の尊重、コミュニティの希薄化といった社会背景の変化に伴い、社会福祉施設は多機能化や地域貢献への動きが活発となり、地域福祉を担う拠点としての役割が求められています。福祉施設の建築事業への助成や補助金は、行政や民間助成財団でも行われていますが、建築デザイン提案を含む助成金の募集は他に例のないものであり、建築・福祉両分野から審査委員を構成し申請事業の評価を行いました。

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集合写真

関係者コメント(一部)

笹川 陽平(日本財団 会長)

「福祉施設の在り方について、もう少し社会の中に溶け込んだ開放的で明るいものにする必要があるのではないかと考えています。お住まいの人々にとって、施設の環境は生活の上で重要ですから、新しいモデルケースを作り、旧来型の福祉施設から変わっていかなければならないという思いを強くしています。古谷委員長を始め委員の皆さんにはお忙しなか協力いただき、多くの募集の中から選定下さったと伺っております。是非とも、審査員の先生の期待にそうような立派な施設を作っていただきたいと願っています。」

古谷誠章(審査委員長)

「前年に不採択とされた事業の中で、格段にブラッシュアップされて内容が充実したものが多いと聞くと、この審査会そのものも、みらいの福祉施設を生み出していく上で、提案者とのキャッチボールのパートナーとして有意義に機能していることがよく理解できました。
最終審査を通過した5事業は、いずれも内容のよく練り上げられた提案となっており、それぞれの立地のポテンシャルを最大限に活かした実効性の高いものとの印象を持ちました。今後提案が具体化し、初期の成果を挙げられるよう心より願っています。」

「第3回 日本財団 みらいの福祉施設建築プロジェクト」助成決定5団体について

1. 事業実施団体(整備場所):(特)おおいた子ども支援ネット / 大分県大分市

設計者 有限会社アトリエ・ワン
設計デザイン案タイトル だんのはるオーガニックケアガーデン
事業概要 「みらいの福祉とは、育ち合う場づくりである」と定義し、放課後等デイサービスに利用していた元修道院と隣接する民家を改修して、ランドスケープデザインを取り入れ、敷地全体を緑あふれるオーガニックケアガーデンに再整備する。
助成金額 158,310,000円

2. 事業実施団体(整備場所):(福)福祉楽団 / 千葉県香取市

設計者 有限会社アトリエ・ワン
設計デザイン案タイトル スウィートポテト・リトリート
事業概要 地域の有休農地を活用してサツマイモの栽培を行い、その工程をつなぐようにコテージや作業場などの施設を新たに建設。都市部から訪れる滞在者と、施設を利用する障害者、刑余者が共に農業や森林作業に取り組める環境を整えることで、地域課題の解決と、利用者それぞれの特性に合わせた支援を目指す。
助成金額 339,630,000円

3. 事業実施団体(整備場所):(医)医王寺会 / 三重県松阪市

設計者 株式会社パトラック
設計デザイン案タイトル にちこれ
事業概要 市内中心部に位置する敷地を活用して、看護小規模多機能居宅介護施設、短期入所生活介護施設、老人ホーム、カフェ、多目的施設など、さまざまな機能を内包する複合型の施設を新たに建設する予定。住み慣れた環境で暮らし続けることを支える拠点を整備すると共に、地域で暮らす人たちがお互いに自然な形で手を差し伸べ合う、「互助の縁」を増やすことを目指す。
助成金額 917,470,000円

4. 事業実施団体(整備場所):(福)道 / 滋賀県彦根市

設計者 b.i.n木村敏建築設計事務所
設計デザイン案タイトル 多機能型重症児者等通所施設「すまいる畑」
事業概要 同施設では「食」を重要なテーマに据えており、利用者とスタッフが一緒に野菜を育て、調理を行うことを想定している。それに加えてキッチンとテラス部分を街に向かってひらくことで、地域の人たちが自由に集い、ゆったりとした時間を共に過ごせるオーベルジュのような空間づくりを目指す。
助成金額 141,150,000円

5. 事業実施団体(整備場所):(福)優樹福祉会 / 福島県白河市

設計者 有限会社辺見設計
設計デザイン案タイトル みんなのまち-地域と福祉の日常的な関わりをつくるプラットフォーム-
事業概要 就労継続支援B型事業および生活介護事業を軸とし、マルシェやカフェ、各種工房、共有広場など、多種多様な機能・役割を持つ建物・空間が混在するプラットフォームをつくり、利用者以外の人たちもさまざまな経験・体験ができる場を設けることで、地域と福祉の日常的な関わりを創出する。
助成金額 350,820,000円

以下の特設サイトでは、各審査員の総評や受賞者のデザイン案等もご覧いただけます。

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