AIが手話を認識する無料手話検索・練習アプリ「手話タウンハンドブック」を公開9月23日は国連が定めた「手話言語の国際デー」

日本財団は、9月23日の「手話言語の国際デー」(※1)に合わせて、手話学習アプリ「手話タウンハンドブック」を9月10日に公開しました。本アプリは手話を検索・練習することのできる簡易辞書で、日本財団が主導する「プロジェクト手話」(※2)の取り組みの一環として、香港中文大学と共同で、Googleおよび関西学院大学の協力のもと、2021年9月に発表した手話学習ゲーム「手話タウン」の第2弾として開発しました。
今回公開した「手話タウンハンドブック」は、手話言語の国際デーの2023年度のテーマ「世界中のろう者が、どこでも手話言語でコミュニケーションできる社会へ!」にふさわしく、多くの人が手話を学び、手話で簡単な会話ができるためのツールとして活用いただけます。将来的には手話通訳として活躍する人を増やし、ろう者の幅広い活躍を後押しすることを目的としています。

画像:手話タウンハンドブックアイコン

日本財団は50年以来、手話が日本語や英語と同様に言語であることが社会で広く認知されるために、手話の発展や普及の他、手話通訳者の育成や手話で教育が受けられる学校の整備等に注力してきました。第1弾の「手話タウン」は、子ども向けの書籍や教科書での紹介や、小学校の総合学習の時間で活用されるなどで、これまでに7万人を超える人が利用しています。「手話タウンハンドブック」には、日本手話、香港手話に加え、ヤンゴン手話も収録し、現時点で登録単語数は800以上あり、テーマ毎に構成されています。ウェブ版だけでなく、モバイルアプリも開発し、スマートフォンやタブレットでも利用しやすくなり、無料でご利用いただけます。

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「手話タウンハンドブック」モバイルアプリ イメージ画像

手話に関する背景

手話は、ろう者が意思疎通を図るために使用する言語であり、ろう者の社会参画を促進するためには、手話で生活ができる環境が不可欠です。2006年に採択された国連障害者権利条約で「手話は言語である」と明記され、日本国内でも2011年に障害者基本法で手話の言語性が認められましたが、手話とろう者への理解が十分に浸透しているとは言い難く、生活のあらゆる面で手話による参加が妨げられている現状にあります。一方で、災害時などの政府会見に手話通訳を付与する例が世界各国でみられるなど、手話への関心は高まっており、手話の普及を推進するための好機が生じていると考えています。

(※1)手話言語の国際デー

9月23日は「手話言語の国際デー(International Day of Sign Languages)」です。ろう者の言語である手話の認知と重要性を呼びかける日として、2017年12月19日に国連総会にて採択されました。9月23日は、世界ろう連盟が1951年に設立した日です。同団体は、世界最古の国際レベルの障害当事者団体で、ろう者の手話による社会参加促進を図っています。現在約130カ国のろう当事者団体を傘下に置いています。

(※2)プロジェクト手話

「プロジェクト手話」は、2019年から日本財団と香港中文大学が共同で開発を進め、Googleおよび関西学院大学の協力のもと、ICTやAIを活用してより身近に、より気軽に手話の学習を始められる教材を開発するプロジェクトです。通常平面のみしか認識しない一般的なパソコンやスマートフォンのカメラですが、ICTやAIによる手話認識技術を搭載したツールを用いることで、体の動きや表情、うなずき、口形等の特徴を含めた立体的な手話の動きを認識することを可能にしています。

各団体の本プロジェクトでの役割

日本財団

プロジェクト全体の統括/手話・ろう者に関する知見の提供/開発に必要な資金提供

香港中文大学

プロジェクト全体の共同統括/手話言語学における学術的な見地からの監修/香港手話の学習データ収集/ろう者に関する知見の提供

香港中文大学ロゴマーク

関西学院大学

日本手話の学習データ収集/ろう者に関する知見の提供

  • 関西学院大学は1889年創立のキリスト教主義に基づく総合大学です。2015年4月に日本の大学では初めて手話を言語として研究する機関である手話言語研究センターを設立しました。2016年より日本財団の助成を受け活動しています。
関西学院大学ロゴマーク

Google

プロジェクトのコンセプト立案/AIによる手話認識技術の研究開発

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