マラッカ・シンガポール海峡の安全航行支援

安全管理体制の構築

北側はマレー半島とシンガポール島、南側はスマトラ島などのインドネシアの島々に挟まれた全長約1千キロメートルの浅くて狭いマラッカ・シンガポール海峡は、アジアと中近東、ヨーロッパを結ぶ国際的な海上交通の要衝です。

日本人の生活を支える輸入原油の8割以上が、また世界の石油供給量の約1/3及び世界貿易量の半分が、同海峡を通過する船舶によって輸送されているなど、その混雑度は世界第一位となっています。通過船の隻数は、現在年間の9万4千隻から、2020年には50%増の14万1千隻に達し、同時に事故や海洋汚染のリスクも高くなると見込まれています。

このため、インドネシア、マレーシア及びシンガポールの沿岸三国にとって、その航行安全と海洋環境保護を維持していくための負担は、極めて重いものとなっています。

日本財団では、浅くて狭いマラッカ・シンガポール海峡での事故を未然に防ぐために、灯台の設置、航路標識の整備や同海峡に出現する海賊対策、海事教育者や海上警備機関などの人材育成など多方面に、40年にわたり約140億円の支援をしてきました。

私たちは、マラッカ・シンガポール海峡の航行安全、海洋環境保全に関わる諸問題は、沿岸国と海峡利用国のみが取り組むのではなく、海峡の直接の利用者である海運産業にも企業の社会的責任(CSR活動)として、積極的に資金拠出をしていただくことが必要だと考えます。
海峡の沿岸三国と利用国・海運会社、民間セクター、荷主などすべての関係者による協力体制の枠組み構築と航行援助基金の設置を、引き続き働きかけていきます。